LINUX ベース

NHKのクローズアップ現代で、「ディジタル赤字」のニュースを流していた。
この話題ばかりは、書かずにはいられない。(かなり眠い。)

GoogleのAndroidも、AppleのMacOSも、Amazonの AWSも、ベースはLINUXで、いわゆる昔のUNIX系の流れを引き継いでいる。Facebookのサーバも、技術的にはUnixベースだと理解している。つまり、GAFAと呼ばれるITの巨人は、皆LINUXベースで仕事をしていて、LINUXを熟知したエンジニアを大勢抱えていると、私は推測している。

MicrosoftのWindowsは、UNIXをモデルにしながらも、30年以上前にDOSを作った際に、アクセス権限という、今にして思えばセキュリティの要を切り離して軽量化し、Windowsはその流れを引き継いできているから、根本的な脆弱性を内在していると私は理解している。しかも、Windowsの内部構造などはMicrosoftは一切外部に公表していない(と、私は理解している)から、Windowsベースでシステムを構築するようりも、LINUXベースの方が遥かに確実に、高い自由度で自分たちの思うようなシステムを構築できる。

そして、Appleも、Amazonも、Googleも、Facebookも、それをやってきたのだろうと私は考える。

ところが、日本では、LINUX中心に情報教育をすべきだ、という議論を展開すると、30年前は言うに及ばず、10年前、すでにAppleもGoogleもAmazonもかなり巨大になっていた時期ですら、「これだからオタクは困る」という反応をされてしまっていた。

私は30年前から全く主張を変えていない。10年前の例で言えば、情報系の「プロ」とも言える大学教員にMicrosoft偏重をやめるべきだという話をしたら、呆れたような顔をされて、「これだからオタクは」というニュアンスで、Windowsから離れたら教育が成り立たない的な返しをされてしまった。確かに「ユーザ教育」ならば、それも一理あるけれども、そのためにはMicrosoftに多額の上納金を払い続けなければならないはずで、だったら、せめて、「情報系の学部」を名乗る以上は、LINUXについての授業くらいは扱ってもらわなかったら、エンジニアが育たないでしょう!?と主張したかったのだけれど、呆れられて、馬鹿にされて、それ以上はもう、何も言えない雰囲気に追い込まれてしまった。
10年前、すでにAndroidというLINUXベースのスマホ用のOSが席巻し、Appleは独自の路線を進み、AmazonもKindleを出して自前のLINUXベースのOSから、さらにサーバ系に展開しそうな気配を見せていた、その時期に、「LINUX, LINUXと、オタクはもう黙ってろ」的な議論にしかならない、それが悲しかった。

Windowsを除き、サーバ系の技術はほとんどLINUXベースだと私は理解している。
日本人はWindowsが大好きだから、とにかくMicrosoftに金を払いさえしたら安泰だと、情報系の教員ですらそうした発想の人が多い。だったら、「ディジタル赤字」なんて、もう、当たり前の結果だろうと私は思う。WindowsにMicrosoftが大好きなんだから、いいじゃない。Microsoftは安泰で、日本人は、自前の技術開発よりもMicrosoftに金を払い続けることを選択した。Linux系なんて口にしようものなら、「オタクは出て行け」とばかりに、経営戦略会議みたいなところから弾き出されるのが、おそらくは日本の現状だと思う。
その延長で、LINUX系の技術者を育ててこなかったから、AWS(Amazon)だの、MacOSだの、Androidだの、Linux系の技術の中身をきちんと理解して使う、それ以上に、それに匹敵する国産のサービスを開発できる人材など、人数にして(若者から年寄りまで含めても)3桁か4桁程度じゃなかろうか、という気がする。

30年前から、まったく同じ主張を展開しているのに、馬鹿にされっぱなし。いいじゃん、そんなにLINUXが邪魔くさいなら、LINUXを使いこなしている多くの巨大企業に、ひたすら上納金を支払ったらいい、そういう選択肢を日本はして来たのだから、いまさらゴチャゴチャ言うな、と私は思う。

今非常勤講師のコマをいただいている大学に、チェコからの留学生が私の授業を取ってくれた。彼は、UbuntuをNative OSにしたノートマシンを使っていた。日本ではMacですら珍しいのに、WindowsではなくUbuntuが起動するノートパソコン。いや、私ですらノートにUbuntuを入れるところまで至っていない。(というのは、Shift-JISベースの添付ファイルのあるメールが未だに多いので、Ubuntuだとさすがに仕事に支障をきたすケースが多いので、、。)

そのチェコでは、PyCharmというかなりクオリティの高い開発環境を全世界に提供している。ハイレベルのLINUXエンジニアが多いんだろうな、という気がした。東欧でも、アフリカでも、南米でも、アジアでも、LINUXベースの教育にシフトしている国では、GAFAに迫る新ビジネスが出てくるんだろうという気がする。
Windowsベースだと、とにかくMicrosoftに金を払わないと先に進まないのに対して、LinuxはOpen Source で、教育に使うのにも「基本コスト」がほぼゼロだから、大量のLINUXエンジニアを教育できる。(初期の段階では、その投資コストの低さ、透明性の高さからAmazonもGoogleもAppleも、Unixベース/Linuxベースを選んだのだろうと、私は推測する。)ところがどっこい、日本は金持ちだから、LINUXだの、そんなオタクなOSを使うくらいなら、Microsoftに金さえ払えば安泰なんだから、なんでそんなやたらと「敷居の高い」技術を使う必要があるんだとばかりに、日本ではWindows一色。(技術担当者だって、責任を取らされることがわかってるなら、Windowsさえ使ってれば、責任逃れは楽だから、Windowsを選ぶのが当然という風潮もあると思う。)
だったら、日本はひたすらMicrosoftやら、AWSやらに、上納金を支払続けたらいいと、思う。自分たちでそれに匹敵するサービスを作ろうなんていう話、これまで一度も聞いたことがないし、それ以前に、OSの違いすら知らない人が決断するケースが圧倒的に多いから、はっきり言って、この話題は各論を展開するだけ、無駄だと思う。
責任を取らされるのを怖がる(ってか、一応技術の分野で仕事をしている学識経験者なんかでも、)「本当にそれで責任を取れるのか」なんて念押しされたら、「わかりました。LINUXはやめます、Windowsでいきましょう」ってなると思う。いいんじゃない?それが日本人。責任を取らされるくらいなら、金さえ出せば解決する。日本人がそうやって金で解決しようとしている間に、おそらく、海外ではLINUXを知っている情報系エンジニアの数は日本の10倍、100倍を超える勢いで増えて、その中から、さらに、GAFAに迫るビジネスを立ち上げようとするハングリーな若い人たちも出てくるだろうと思う。30年、同じ主張を展開していて、これが時代の流れなんだろうな、と思った。そもそもが、日本人はあまりにもWindowsが大好きすぎて、LINUXを教えられるエンジニアが何人いることやら。これ、実際に教員をやっていて痛感しているけれど、自分がLINUXを使えるというのと、他人がLINUXを使えるように教えられると言うのは、完全に別問題だから、たぶん、今から方向転換しても、教員の確保がほぼ無理じゃないかと私は思う。

これは、情報系の若い人たちに言いたい。とにかく、Linuxをコマンドベースで使えることに馴染んで欲しい。
次に、OSは(Windowsも含めて)「割り込み処理」の塊で、割り込みをどうさばくか、その辺がOSの機能の要だと私は考えているし、今後AIを融合させたOSが登場するとしたら、「手続型」の考え方と、「適当に今ある知識で答えを出すだけ」系の技術をどう扱うか、その辺が要になるような気がする。その辺の基本知識を身につけてから、できれば、学習用のマシンはUnix系(LinuxとかMacOSとか)にして、シンプルなアプリの開発を自分なりに試してみるのが、大切だという気がする。
そこからネットワーク系の試行錯誤に入って行けば、かなり長いこと(10年くらい)は、最先端の話題に追いついていけるような仕事をできるんじゃないかな、という気がする。(10年から先は、とにかく体力勝負かも。)

もう、30年も前から、同じ主張を繰り返していた。ブレないっていうよりも、軌道修正する必要があるような話題が出てこないんだもの。この、同じ話題、もう「結果が見えた」はずだから、LINUX系の教育が大事だっていう結論が、間違っていたのか、それなりに的を得ていたのか、そもそもが「オタクは黙ってろ」的な門前払いじゃなくて、多少は評価すべき範疇に入って来ているんだろうか?

ってか、仮にAmazonも、Googleも、Appleも、みんなUnixベースであれだけの巨大企業になりました、ってな話が、間違いじゃないと理解してもらったとしても、今更どうすんのよ、っていう感じで、そもそももう、だったら今どうしましょうか、っていう具体策が、今更遅すぎるんじゃない、という感じにしか、なれない。だって、NHKが7時台の番組で取り上げるほど、問題になっていたんだ、って、今日知った。
だったらもう、「日本人は、Microsoftが大好きです。お金さえ払えば、自分たちで作らなくたって、なんとでもなります」的に、このまま推し進めて行ったらいいんじゃないのかなぁ。

それにしても、悲しいのは、私は「日本語」は大好きだし、大切にしたいけれども、WindowsにしてもMac-OSにしても、日本語の「仮名漢字変換」のコアの部分を、たぶん、中国で作っているんじゃないかなぁ、ってことだろうか。たぶん、10年くらい前からその流れになってきた。
辞書を「学習」させているから、少し使えば。そこそこまともな「変換候補」が出てくるけれども、初めて使う単語なんか、もう、いきなり「なんじゃこれ」みたいな単語が変換候補のトップ出てくる。仕方ないよね、中国で作っているんだから、とは思う。
もし「言語が文化」なら、せめて日本の官公庁が、AndroidとなどLINUX系OSと親和性の高い仮名漢字変換の(Backendか、MiddleWareか、把握してないけど)ドライバ/モジュールを提供して、「より使い易い日本語環境を提供する」みたいな気配りをしてくれたらいいんだけれど、そもそもが、日本語なんて、コンピュータの世界では、適当にカナが漢字に変換されさえしたら、使い勝手なんてどーでもいい、というのが、日本のお役所のスタンス、なのかもな、と思った。(役人に、文化的な感性は要らないのかも知れない。)MacにしてもWindowsにしても、仮名漢字変換がちょっとおかしいと、感じたことのある方、いらっしゃいませんかね?(もう、いいです。「アンタはそうやって、難癖つけるのが趣味なんでしょ」的にあしらわれることが、あまりにも多くて、これまでずっと思っていたから、書いたけれども、、、。)
今、強いのは、中国の百度(Baidu)かなぁ、、。「一太郎」を作っていた会社、もう、生き残っていない?見殺しにされたか。仕方ないよね。この辺は文化的な感性の問題で、「経済原則」でもないし、「官か民か」の問題でもないし、、、。安っぽい「日本語変換」を日本人全体が使う、ってのは、諦めて受け入れるしかないんだろうな、と思った。

最近、私は思う。なんでも諦めて受け入れてしまえば、こんな楽なことはない。
インバウンドによる収入が3兆円に対して、ディジタル赤字が5兆円台?それって、すごいね?だけど、誰も責任を取りたくないから、こういう数字になったんでしょ?受け入れちゃったらいいいじゃない。そもそも、今、日本にLINUX系の話題をきちんと大学とかで教えられる人、なんて、何人いるのよ。諦めるしか、ないでしょ?なんて思う。
お金なんて、なんとでもなる。いざとなったら、中国人に日本の土地を買ってもらう、とか、JRの赤字路線を沿線の開発権ごと海外に売りに出して、サウジアラビアあたりに買ってもらうとか、色々あったりして。
技術だって、たとえば、脱北した北朝鮮のSEが、日本で情報教育のコアとなる部分を指導したりなんていうことだって、あったっておかしくないと思うし。

と、ここまで書いてみて、多少はスッキリした。なるようになる、ということで、いいのかも知れない。

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