分離独立の時では?
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2024/12/528627.php
ウクライナ侵攻によるロシア兵の死者は11万5000〜16万人に、兵士を「使い捨てる」ロシア軍の残酷物語
いま世界で最も陰鬱な場所の1つは、ロシア南部の街ロストフナドヌーだろう。ロシア軍のウクライナ侵攻を後方支援する補給基地があるだけでなく、戦場で犠牲になったロシア兵の遺体が集まる場所でもあるからだ。
巨大な遺体安置所は数百体を収容できるが、もう何カ月も絶望的なパンク状態にある。ソーシャルメディアに流出した内部映像では、さまざまな腐敗段階にある数百の遺体が廊下に放置されている。
こういう表現は、聞いたこともないけれど、このままロシア絡みのニュースを読んでいると、感覚の鈍化が怖いな。
今回のウクライナ戦争で、ロシア軍が空挺部隊や特殊部隊などのエリート部隊を大量投入して一気にケリをつける戦略から、第2次大戦中のような人海戦術に切り替えたのは、22年5月に始まったバフムートの戦いだった。
これはミートグラインダー(肉ひき器)戦術とも呼ばれ、膨大な数の兵士を前線に送り込むことで、ウクライナ軍を疲弊させるとともに、その位置をあぶり出して爆撃する。
国民を、なんだと思っているんだろうか?
しかも、犠牲となる兵士の人種に大きな偏りがあることは、ロシアではもはや公然の秘密だ。それどころか、ロシアの「優生政策」の1つであることを、ロシアの有力政治家が認めている。
アレクサンドル・ボロダイ下院議員は今年11月に報じられた流出テープで、ウクライナ軍の銃弾を枯渇させるために大量のロシア兵を戦線に送り込むことで、「社会的価値」の低い「連中を間引き」できると語った。
使い捨てにできる人的資源を、ウクライナの「最も勇敢で大胆な」兵士たちに差し出し、「敵を最大限消耗させる」のだ、と。
戦争が「命」を軽んじる、それにしても、ここまでくるのか?
実際、ウクライナ戦争はロシアの人口構成を変えている。莫大な数の戦死者は、ブリヤート人やタタール人、トゥバ人など非ロシア系住民に著しく偏っているのだ。
政府指導部にしてみれば当然の措置とも言える。
ロシア系エリートが多く住むモスクワやサンクトペテルブルクで積極的に徴兵を行い、その多くを使い捨てにしたりすれば、体制を揺るがす政情不安をもたらしかねない。
このため、より貧しく、民族的に非ロシア系住民がより多い地方で大量の若者が戦争に取られている。
また、受刑者も前線の最も血なまぐさいエリアに続々と送られており、ロシアの刑務所は事実上空っぽだとされる。
こんなページもあった。この記事は、2023年8月20日となっていたけれど。
https://news.ntv.co.jp/category/international/649b9edbb1c045c2b7005f0a78fdbf52
ロシア反体制派 すれ違う「プーチン後」の未来図 “分離独立”か“一つの国家”か
もう、引用しまくる。
ブリャート独立運動組織代表 マリーナ・ハンハラエヴァ氏(※ブリャートはロシア中南部・ブリャート共和国などに暮らすモンゴル系民族)
「あなたたちは今、ブリャートの最後の世代を目にしているのかもしれません」
「ユネスコのデータによると、20年後にはブリャート語は完全に絶滅する可能性があります」
「ロシアのオリガルヒは資源豊かな我々の土地を略奪しています。税金も払わず、我々に残しているのは環境問題だけです。モスクワは我々の資源をすべて奪い取り、我々を貧困に追い込んでいます」
「帝国主義的な戦争が起きた際、(ブリャートは)最前線に送られる『生きた材料』のような扱いをされています」
「今、ブリャートが金を稼ぐ主流の方法は何だか分かりますか。戦争で死ぬことです。生まれた時から我々はロシア人と対等な扱いをしてもらうことなく、あらゆるレベルで差別を受けています」
バシキール国民政治センター代表 ルスラン・グバソフ氏(※バシキールは主にロシア南西部・バシコルトスタン共和国に暮らす民族で、イスラム教徒が多数派を占める)
「私は(民族の)歴史的な領土があるにもかかわらず、数世紀にわたりモスクワの支配下にある200万人ものバシキール人の一人です。我々は何世紀にもわたって反抗をし、自由のために戦いましたが、世界はそれを無視していました。なぜなら(世界は)ロシアがそのままで存在するべきと思ったからです」
「ロシアは典型的な帝国であり、他の国々の植民地化を進めることで生き延び、領土を拡大してきました」
「この帝国に属していた多くの民族はすでに絶滅しました。他の多くも全滅寸前な状況でもうおそらく救えないでしょう。しかしまだ救うことができる民族もたくさんあります」
「ロシアはウクライナでの戦争に確実に負けますが、(ロシアという国が)変わることはありません。EU(ヨーロッパ連合)もアメリカも全世界も(ロシアを)変えることはできません。他民族や全世界に対しての終わることのない侵略を止めるために唯一しなければいけないことはロシアを数十の独立した国々に分割することです」
シベリア独立合衆国委員会副議長 スタニスラフ・スースロフ氏(※「シベリア」は主にロシア中部から東部にかけての北アジア地域を指すが、スタニスラフ氏の「シベリア独立合衆国」は現在のシベリア連邦管区全域とウラル連邦管区の大部分から構成されるとしている)
「現在『美しい未来のロシア(=民主化したロシア)』をつくるという発想は、残念ながら世界の政治家の間でとても人気があります。しかし、このアイデアはソ連崩壊後、現代のロシアが作られた時のアイデアにとても似ている点に注目してほしいです」
「10年後、15年後、国のトップに『新たなプーチン』が現れない保証はないことにも注意してください」
「(民主化を装った)『美しい未来のロシア』は時間稼ぎをし、再び隣国を侵略するための用意をするでしょう」
分離独立を求める参加者たちは「少数民族や地方は長年にわたり抑圧され、差別的な扱いを受けている」と口をそろえた。プーチン政権が崩壊しても、民族としての「ロシア人」が中心である限り「ロシアは変わらない」として、ロシアとロシア人への強い不信感をにじませた。
このページの見出しは「同床異夢」となっていた。
「ロシア自由軍団」政治部門幹部 イリヤ・ポノマリョフ氏
「今ロシア連邦がある領土の1年後の状況を私は知りません。1つの国になるかたくさんの国になるかは、すべてあの領土に住んでいる民族が決めるでしょう」
独立を求める多くの参加者の意見に配慮しつつも、「ひとつの国家」にも言及した。ポノマリョフ氏は下院議員としてロシア政治の中枢にいた経験があり、国内外の反体制派と協力して「影のロシア議会(人民代議員大会)」を組織してプーチン政権崩壊後の新たな国家作りの中心となることを目指している。なにより、ロシア領内へ越境攻撃を行う武装組織の幹部も務め、実際にプーチン体制に揺さぶりをかけている重要人物だ。ポノマリョフ氏の意見は会合では少数派だが、その言葉はロシアの今後を考える上で無視できない重みがある。
一つだけ、無条件に共感する一節があった。
「私は全ての解放運動を全面的に支持しますが、条件があります。それは、分離するかとどまるかを決めるのは最終的には一部の政治家ではなく、人々による意識的な選択でなければならないということです」
この地図は興味深い。
画像は切り取らせていただいた。
![](https://assets.st-note.com/img/1734447056-sTnXxNWZIYGJbedjhyBmlVig.png?width=1200)
「ロシア後」を望むなら、トランプがアメリカの大統領となった今、実力で勝ち取るという考え方もあると思う。
今、ロシア軍は同時多発的に「独立運動」が起きたなら、鎮圧するための部隊を派遣するための余力がない、と思える。
「この会合」にあった少数民族には、「武装闘争」を起こすだけの「軍備」すらない、と思えるけれども、同時に一斉に「徴兵拒否運動」を起こすことは可能だと思える。
何よりも、
アレクサンドル・ボロダイ下院議員は今年11月に報じられた流出テープで、ウクライナ軍の銃弾を枯渇させるために大量のロシア兵を戦線に送り込むことで、「社会的価値」の低い「連中を間引き」できると語った。
実際、ウクライナ戦争はロシアの人口構成を変えている。莫大な数の戦死者は、ブリヤート人やタタール人、トゥバ人など非ロシア系住民に著しく偏っているのだ。
という扱いを受けていて、生きて戻れる保証などほとんどなく、ミンチになるか、後方からロシア兵に狙撃されるかする戦場に駆り出されるくらいなら、自分の故郷で戦っても同じではないか、という気がする。
「ロシアの解体」は、おそらく欧州は歓迎するし、北方領土問題を考えたなら、日本にとっても歓迎したい状況だと思える。分離独立後の「経済情勢」については、NATOの軍事予算を大量に上乗せするよりも、旧ロシア/反ロシアで分離独立した国々に、人道的な経済支援を行う、新たな産業育成をバックアップする、もしかしたら「資源開発」にも協力を行う方が、欧州にとってはメリットが大きいように思える。何よりも、ロシア自体が今はもう「経済的に頼れる」状況ではない、と思える。モスクワ周辺の経済を回すのが精一杯で、「辺境の非ロシア系の国々」にまで資金を回す余裕などないだろうから、まだ欧州や日本の方が頼り甲斐がある、とは考えられないだろうか?
「武器がない!」だろうな。だけど、同時多発的に「分離独立運動」を起こせば、例えば、武器がない状態で「徴兵拒否運動」程度の運動を起こしただけでも、ロシアはおそらく「なけなしの武器や兵士」を「鎮圧のために」送ってくるかも知れない。そうなった時には、「地の利」を活かすこともできないだろうか?
ロシアが鎮圧のために軍隊を送ったとしても、ロシアには今はそうした軍隊の移動の安全を守る手段が枯渇しつつあると思える。陸路だとしたなら、どんな土地でも必ず隘路はあると思えるし、土木工事用のダイナマイトくらいは手に入ると思えるから、進路と退路を塞いだ上で「交渉」すれば、他ならないロシア軍から「分離独立」のための「武装闘争」のための武器を奪えるかも知れない。何よりも、今もし動くことができるなら、ウクライナなどに「相談」したら、なんらかの助言や協力を得られるんじゃなかろうか。おそらく、ウクライナは歓迎する。
あるいは、「ロシアの脅威」に今でも脅威を感じている「ロシアから分離独立した」先輩格の国々は少なくないと思えるし、そうした国々の中には後輩格の「分離独立」を支援することによって、「ロシア帝国」による自国への「侵略の脅威」を少しでも減らすために協力してくれる国々が、あるかも知れない。他にも、ロシアから「核」だの「IRBM」だのの脅迫を受けている国々は少なくない訳だから、協力を得やすい状況をロシアが作っている。
無責任に書いているけれども、日本は「武力闘争への武器の供与」こそ出来ないけれども、経済支援などのバックアップは可能だと思うし、何よりも「新しいロシア後の地図」が実現するならば、北方領土について新しい展開が見込めるかも知れない。
ロシア自由軍団」政治部門幹部 イリヤ・ポノマリョフ氏によれば
「我々は北方領土問題を解決するための仕組みについて議論し、決断する必要があります。」
「私が過去に話した多くの日本の方は北方領土とは何か、何が含まれ、何が含まれないのかについて違った理解をしていました。私は妥協は不可避だと思います。しかしこの妥協には間違いなく(複数の)島の日本への返還が含まれます。この妥協の具体的な中身については(日露の)政治家達が議論し、それぞれの社会に提示する必要があります。」
https://news.ntv.co.jp/category/international/649b9edbb1c045c2b7005f0a78fdbf52
さらに言えば、ロシアのバックアップがなくなった某国から、拉致被害者を取り返せる可能性が、格段に高くなる。(含意については書かない。)
分離独立運動を起こすならば、今が絶好の好機、だという気がする。現に、シリアではロシアの影響力が低下したことを利用して、あっけなくアサド政権が倒れた。
ふと、そんなことを考えた。
以上