「国際刑事裁判所(ICC)とは何か (立法と調査 2007.3 No.265)」を読んだ


こんなのを見つけた。

国際刑事裁判所(ICC)とは何か (立法と調査 2007.3 No.265)

https://www.sangiin.go.jp/japanese/annai/chousa/rippou_chousa/backnumber/2007pdf/20070302023.pdf

イスラエルの反対理由

1998 年7月のローマ会議におけるICC規程の採択に当たっては、米国、イスラエル、イラク、カタール、リビア、中国、イエメンの7か国が反対し、21 か国が棄権した。
イスラエルの反対理由は、占領地に対する入植が戦争犯罪とされる可能性があるというものであり、署名を行ったが後に署名の撤回を表明している。
中国の反対理由は、ICCによる裁判管轄権の行使は当事国の同意を前提とすべきということなどであり、ICCの活動が内政干渉につながることを懸念している模様である。中国に限らず、アジア諸国においては、ICCの活動が自国の主権との関係で問題を生じ得るとの懸念から加盟を見合わせている国が多いようである。
また、イスラム諸国の中には、宗教上の教義との関係で、異教徒の裁判を受けること自体が許されないとする国もあるようである。

https://www.sangiin.go.jp/japanese/annai/chousa/rippou_chousa/backnumber/2007pdf/20070302023.pdf

なるほどね。

米国がICCに反対する理由は、
①ICCは個人を捜査・訴追する強大な権限を持っているが、そのICC自体をチェックする仕組みがない、
②米国のような規程の非締約国の国民に対してICCの捜査・訴追が及ぶことは国家主権の侵害となる、
③将来、侵略犯罪の定義が合意され、ICCが侵略犯罪の捜査・訴追を行うこととなれば、侵略戦争の認定を安保理だけに委ねた国連憲章の趣旨に反する、
④米国は国際平和の維持に特別の責務を負い、そのために多くの米国の部隊が海外で活動しているが、そのような部隊の要員がICCによる政治的な捜査・訴追の対象となるおそれがある、
といった点などである。

https://www.sangiin.go.jp/japanese/annai/chousa/rippou_chousa/backnumber/2007pdf/20070302023.pdf

(箇条書きの「改行」は、筆者)
①②については、確かにそうかも知れない。
③については、「侵略戦争の認定を安保理だけに委ねた国連憲章の趣旨」って、常任理事国にロシアやアメリカが含まれていたら、例えば、ロシアによるウクライナ侵攻は「侵略戦争」になり得ない。いつまで経っても「演習」みたいな扱いにされてしまうと、「司法」が成り立たない気がする。
逆に、①について、司法を立法や行政(よくわからんけど、国連総会などか?)が監視する機構が必要、だとするならば、安保理に対してもICPなどから「チェック」を行う、相互牽制の仕組みがあってもいいんじゃなかろうか?安保理へのチェック機構を、「三権分立」の考え方から国連総会やICPなどに持たせる、などの機構が必要だ、と、演繹することはできないものか?
④は、笑った。「米国は国際平和の維持に特別の責務を負い」って、これはもう、トランプが降りると宣言しているわけだから、今後は「理由」に含めることはできない訳だな。

さらに続いていた。

ICCの活動に懸念を持つ米国は、ICCの捜査・訴追が自国民、特に海外に派遣している自国の要員に及ばないようにするため、幾つかの対策を採っている。まず、米国は、国連安保理において国連平和維持部隊の訴追免責を認める決議を 2002 年と 2003 年に採択させた(2002 年の決議は 2003 年に一度更新されたが、2004 年は米軍のイラクにおける捕虜の取扱いが問題となり、米国は決議更新の提案を断念し更新されなかった)。また米国は、米国民をICCに引き渡さないことを約束する二国間免責協定(BIA)の締結を各国に要請している。国内法においても、2002 年にはICCに対する協力を禁止し、米国民にICCからの訴追免責を与える米国要員保護法(ASPA)を制定した。ASPAでは、米国とBIAを結ばない国(NATO諸国、日本、韓国等の主要同盟国を除く)に対する軍事援助を停止することも規定されている。加えて、2004 年には、米国とBIAを締結していないICC加盟国に対する経済援助の停止を規定した外国援助法の改正(いわゆる「ネザーカット条項」)が成立した。こうした対応により、米国は、現在、発展途上国を中心に未発効分も含めて 100 か国以上とBIAの合意を取り付けているとされる。

https://www.sangiin.go.jp/japanese/annai/chousa/rippou_chousa/backnumber/2007pdf/20070302023.pdf

マメだねぇ。

あれこれググっていたら、ちょっとだけ賢くなったかも。
以上

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