商品の機能はそのまま、価値を再発見、メッセージを転換〜森永製菓ホットケーキミックスのコンテンツPR〜
STORY
森永製菓さんのホットケーキミックスは、1957年から続くロングセラーです。パウダーに、牛乳と卵を混ぜて焼くだけで、当時はまだ珍しかったおいしいホットケーキが、自宅でとても手軽焼ける、という商品。
けれど、今はどうでしょう? ホットケーキ(パンケーキ)は以前のように、希少なごちそうではありませんし、もっと簡単に、すぐ食べられる食品が当たり前になっています。
もう、以前のような「手軽さ」が価値ではなくなった現代で、同社は「調理する」体験の価値を訴求しています。
同社は今、「親と子の心を育てるホットケーキ作りレポート」というブランドサイトを公開しています。
https://www.morinaga.co.jp/hotcake/hotcake_report01/
白百合女子大学の田島信元教授とともに共同研究を実施。親子でホットケーキを作ることによる子どもの成長にも、親の心にも、良い影響があると言います。調理の体験として、なぜホットケーキがよいかもふくめ、わかりやすく解説してあります。
ホットケーキミックスのコンテンツPRは、古くは2009年に発表された、「脳トレ」で有名な東北大学の川島隆太教授との共同研究が有名です。親子でのおやつ作りが親子関係や子どもの心に及ぼす影響を発表し、さらに9月9日を「親子でCOOK(くっく)の日」として、調理することの楽しさを再発見する記念日に登録しました(日本記念日協会認定)。この日に合わせて、研究成果を発表したり、イベントを開催してメディアに報じられるなど、PR活動を展開してきました。
●ポイントPick UP!
逆説的なメッセージの転換がおもしろい!
手間がないのがメリットだったのに、時間とともに(周囲と比べて相対的に)手間のかかる商品になってしまい、こんどは作る手間を強みにしてしまった!
モノからコト、機能からベネフィット
価格や手軽さ、おいしさといった商品の機能ではなく、親子で調理する体験を売っています。実は、調理するのは何でもよいのですが、そこは包丁を使わず、簡単にできる、というホットケーキミックスの機能性とうまく結びつけています。うまい!
●参考
クチコミデザイン
www.amazon.co.jp/dp/4799103628
子どもの幸せとホットケーキ調理の関係性
https://www.morinaga.co.jp/public/newsrelease/web/fix/20090908_02.pdf
親と子の心を育てるホットケーキ作りレポート
https://www.morinaga.co.jp/hotcake/hotcake_report01/