整理収納のプロは衣替えで服を捨てる。一般女性は?〜エステー「ムシューダ」のコンテンツPR
「ムシューダ」は、エステーが展開する防虫剤のトップブランドです。同社は防虫剤市場で50%以上のシェアを持っており、市場全体の拡大が大きな課題となります。
同社は、「衣替え」を啓蒙するコンテンツPRを続けています。春と秋の衣替えのタイミングで防虫剤を入れ替える人が多く、需要が高まります。しかし、住環境が変わったり、共働きの増加など生活習慣が移行したり、ファストファッションが定着するなどの影響で、以前のような衣替えの習慣は衰えています。
衣替え自体が行われないと、防虫剤も買ってもらえません。そこで衣替えの必要性を訴えたり、手軽に効率よく衣替えできる方法を、世の中に広げることで商品に落とそうというわけです。
2015年に行った、調査を使ったPRをご紹介します。
テーマは「整理収納」。衣替えはしたくない人も、衣類で散らかったクローゼットは好ましいものではなく、特に主婦の大きな関心事です。
そこで、下記のようなプレスリリースを配信しました。
「整理収納アドバイザー」という民間資格を持つ人にアンケート調査を実施。いわば「スペシャリスト」は、どのように衣類を整理しているのか? を調べると、衣替えがカギになっていることがわかりました。
さらに、一般の人にも一般の主婦にも、同じような質問。次のような両者のギャップがおもしろく、複数のメディアに取り上げられました。
プロの自宅は、スペースに余裕を持たせる“8割収納”が標準(一般女性は9割)
もう着ない秋冬物の扱いにギャップ! プロは8割が処分/一般女性は4割
プロが見る“残念な収納”のトップは「服が多すぎ」/一般は「スペース狭い」
「衣替えを改善のきっかけに」プロの8割が指摘
個人的には、整理収納がうまく行かない理由として、一般女性の多くが「収納スペースの広さ」を挙げているのに対し、整理収納アドバイザーはほとんど重視していないこと。問題は、衣類が多すぎることで、適切に減らすタイミングが衣替えであることがわかりました。
リリースの最後にはオウンドメディアの記事を紹介し、現代の生活習慣に合わせた防虫剤の選び方、使い方などの情報も提供しています。ネットや出版系のメディアがニュースにしただけでなく、整理収納系のブロガーが話題にしてくれたのは、ブランドにとっての効果が大きかったはずです。
●ポイントPick Up!
世の中のお悩みを解決した
防虫剤や衣替えに興味はなくても、整理収納のコツを知りたい人はたくさんいます。衣替えをその手段とし、その必需品としての防虫剤を提示。企業の「自分ごと」ではなく「世の中ごと」にアプローチするPRの基本が、わかりやすい事例!
スペシャリストと一般人のギャップを鮮明に
客観的なアンケート結果は、新商品やキャンペーンなどより、よほどメディアがネタにしやすい情報です。調査PRはよく行われる手法ですが、おそらく整理収納アドバイザーへの調査だけでは、大きな情報の波及は難しかったでしょう。
一般女性の実態とのギャップによって、読者をドキッとさせるコンテンツになりました。
●参考