見出し画像

建設テック カオスマップ2021 -今後のトレンド予測-

こんにちわ。Photoructionという建設テックのスタートアップで代表をしている中島です。

1年ほど前に、建設業向けのITソリューションをまとめたものを「建設テックカオスマップ」として公開したら、非常に多くの方に見ていただいたこともあり、今回はそれの最新版を作成してみました!

最近はますます建設テックが盛り上がってきており、ずっと趣味で調査していた建設業向けのITソリューションも、私の手元のデータベースでは既に300を超えています。

今回はその中から3分の1ほどに厳選してご紹介するのと、最近のトレンドなども簡単に解説しますのでぜひ最後まで読んでください!


建設テックカオスマップ2021

スライド1

こちらが最新版のカオスマップです!(前回はこちら

ちなみに、以下のふわっとしたルールで掲載していまして「削除してほしい」などのご指摘があればすぐに対応させていただきます。

① 新しさではなく業界で使われてたり少なくとも1度は耳にするものを選定
② CADやBIMを含めた設計フェーズの活用がメインのものは除外
③ サービスロゴがない場合は会社名として記載
④ 外資メーカーのは基本的には除外
※とはいえ全てキチッと守っている訳でもなく例外も結構あり

工務店向け施工管理アプリが活況

とにかく数も増えていて、名前も色々と聞くようになったのが工務店向けの施工管理アプリです。

工務店の工事現場では一人の監督が複数現場を掛け持ちするため、ゼネコンの現場のように毎日細かく作業を見ることができません。

そのため、現場にいる職人さんとのコラボレーションが必要となり、それらをチャットや工程、日報や受発注などの機能を中心に展開しているアプリケーションが多いです。

職人ユーザーがメインターゲットであり、比較的シンプルでわかりやすい機能がたくさん付いているという印象があります。

サービス提供側として見ると、シンプルで開発する内容も分かり易いのに加えて、工務店と言う導入までのスピードが比較的早いと言うことや、口コミで広まったりネットワーク効果(多くの人が使うほど効果が出る)が効きやすいことから参入が相次いでいる印象があります。

一方で課題もあり、元請となる工務店によって使うツールが異なると、協力会社である職人は使うツールを変える必要があるため、無駄な労力が増えるという現象が起きているという話も聞きます。とはいえ業界の効率化に繋がっていることは間違いなく、今後はAPI連携も含めた統廃合が進んでいくのではないかなと思われます。

私もたまに道端や喫茶店で見かける職人さんが、この手のツールを触っているのを見かけることもあり、すごい勢いで増えいているかつ広がっていることを実感します。

BIMは周辺ソリューションの活用が進む

前回のカオスマップに続き、パソコンで図面をかくCADや3次元のデータベースで建物を表現するBIMなどの、設計段階で使うツールは基本的には対象外としました。

一方で、設計段階で作ったCAD / BIMのデータを施工フェーズでも上手に活用するソリューションの数は増えています。

既に建設業界じゃない人でも知っているところまで広まったBIMも、データハンドリングの悪さ(紙や2DのPDFと比べる劣る)からか、施工活用はそこまで進んでいない現状があります。

そこで、安価かつ簡易的に見えるビューワーであったり、注釈ツールや3次元を使った施工管理など、様々な形で設計段階で作成したデータを応用するソリューションが増えてきています。

まだまだ国産ツールは少ないものの、CAD / BIMのリーディングカンパニーであるAutodesk社がCAD / BIMデータを自社サービスに組み込むことのできるAPIを公開しているため、今後はますます増えてくるのではないかと予想しています。

BIMの活用に関しては大手ゼネコンであれば、設計段階においては進んできた印象もあり、今後は作成したデータをいかに活用していくかというところに焦点が当たってくると考えられます。
(昔から言われていることではありますが実用という視点で…..。)

今後のトレンドは「BPO」 「リソースマネジメント」 「CO2削減」

今回のカオスマップではまだ登場していないですが、国内において建設テックは新しいトレンドに突入する予感が個人的にはしています。

キーワードで書くと「BPO」「リソースマネジメント」「CO2削減」です。

1つ目の「BPO」に関してはいわゆる自社の業務の一部を外出しすることであり、ビジネス・プロセス・アウトソーシングの略称です。

人手不足が進む建設業においては、ITソリューションにおける時間削減だけでは賄いきれなくなり、よりノンコアっぽい業務を外に任せるということが進んでいます。

既に会社の大きさ関係なく検討が進んできており、当社もAIを活用した効率的なBPOモデルへの挑戦をしている最中ですが、引き合いも非常に多く、今後マーケットとしても大きく拡大していくと思われます。

2つ目の「リソースマネジメント」はその名の通り現場のリソースを管理することです。

工事現場では人や機材、建機や建材など様々なリソースが点在しています。

一言で語れないほどのペインがあり、複雑すぎるほど入り組んだバリューチェーンで成り立っているものの、今後はここの非効率さの解決に挑戦するサービスがいくつか出てくると思われます。

3つ目の「CO2削減」に関しては、まだ大手建設会社だけしか顕在化していませんが、カーボンニュートラルをはじめとしたESG投資の一環となります。

日本では大手SIerを中心としたコンサル型のCO2削減サービスが中心ではあるものの、米国では既にSaaSを活用したモデルが数多く出てきています。

国内建設業も大手をはじめ、取り組みが進んではいますが、建設現場特有の課題も多くまだまだテクノロジーが手付かずな状況です。

工事現場において手作業で慣れないCO2排出量を計算しているという話も聞き、ニッチではあるものの今後はここを上手に解消するサービスが出てくるのではないでしょうか。

以上、今後のトレンドになりそうな3つのキーワードについて書きましたが、来年のカオスマップにどこまでサービスとして出てくるか楽しみです。

私たちフォトラクションもまだまだではありますが、一部取り組んでいる課題であったり、まだ出してない内容もあるため、もし興味ある方はお問い合わせいただけたら幸いです。

また、共にこれらにチャレンジしたいという方々も募集していますので、ぜひ気になる方は採用情報もチェックしてみてください。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?