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それはある朝、突然に。
リートワーク16日目。
今月に入って、進めていたプロジェクトがいくつか延期になった。
この状況だから、ほとんどの企業にとっては、ブランディングやPRより会社のコンディションを整えることが先決だと思うから、仕方ないことだと思うし、とてもよく理解できる。けれど、どんなスモールプロジェクトだとしても「ストレート、真っ向勝負。ぜんぶ全力投球!」的なストロングスタイルで関わる僕たちにとっては、なんだか大好きな親友が、ある日突然転校してしまうような、そんな寂しさがある。
切り出された本人は「なんで早めに相談してくれなかったの?」って思うものだけれど、よく考えてみれば、なかなか言い出せないのは僕たちをとても大切に思っていてくれるからだ。それに、どちらかといえば、本当につらく苦しいのは、そうした事実を「伝える側」なんだと思う。
だから僕は、そんな時は、できる限り前向きな切り返しをするようにしている。まずは、状況を全部聞かせてもらって、理解し、その上で僕たちがその仕事をとても大切に思っているということをまっすぐに伝える。その中で、もし今この状況でもお互いにポジィティブなメッセージを発信できるやり方があれば、提案してみる。
もちろん状況があまりよくないからその新たな提案が採用されることはあまりないけれど、それでもこうした状況でもそんな風に前向きな提案をしたことに対して、ほとんどの人は感謝してくれる。なにより「ああ、その提案を聞いて、久しぶりに明るい気持ちになりました」ってみんな笑顔を見せてくれることが最高にうれしい。うん、いいチームだったなあって。
僕らにとってもこの状況はとても苦しいけれど、できる限り、少しでも元気になれるような小さな提案を続けていこうと思う。「つながるためのテクノロジー」がこれほど進化した今なら、突然転校していく親友とも(本当は突然じゃないかもしれないけれど)、またどこかで必ず会えるはずだしね。