青春でんでけでけでけ
リモートワーク10日目。
それほど量を飲んだはずはないのに、朝、お酒が残っていたみたい。特にふくらはぎ。母親が北欧旅行で買ってきたムーミンのツボ押し人形で、念入りにマッサージしてみる。
自宅で長い時間を過ごしていると、いろんな「音」が驚くほどクリアに聞こえてくる。ドアを開けたり廊下を歩いたりという生活音は当然のこと、朝はまるで宿泊学習の朝みたいに鳥の声が聞こえてくるし、日中は、どこかの中学生がボムボムとリフティングしている音とか、夕方になれば、洗濯物を取り込む音とか。
そうか、世界はこんなにたくさんの音に満ちていたんだ。
高校の時、友達の納屋でバンド練習してたときには、バカみたいに広い田んぼから楽器より大きな音で響き渡ってくるウシガエルの鳴き声が、1日が終わる合図だった。「リンダリンダリンダ」で描かれた淡い水彩画みたいな青春感が大好きだけど、多分僕らは「青春デンデケデケデケ」だ。
https://movies.yahoo.co.jp/movie/90374/
そんなことを思い出した僕は、ワイヤレスのスピーカーで音楽を流して過ごしたのだけど、これが思いのほかいい感じ。特に大きな音ではないけど、ヘッドフォンで聴くより、数段気持ちいい。ああ、なるほど、それでお酒が進んだのか。
考えてみたら、日中のオンライン会議で久しぶりに会うエディターのみんなの声が元気そうで、それだけでいい気分になったっけ。なるほどね。音があるから、自分が今いる場所が認識できるってことなんだ。
そうして、夜中になると世界から「音」が消える。
ああ、寝る時間だ、そんな感じで。