メモの場合でも!情報整理に欠かせない「軸」は「時間軸」
2章 時間軸に乗せてまとめるメモワザ
1節 アウトプットは当然デジタル。下準備が大事。
メモで集めた情報は、アウトプットしてこそ活かされます。
アウトプットするまでの、下準備がとても大切です。
アウトプットの媒体は当然デジタルです。
見聞きしたことを、直接電子機器へ入力する方がスピーディーだと思われるでしょう。
即座にタイピングしてテキスト入力が正確に出来れば確かに早い!
ですが、例えば、聞き取り取材の場合、よほどのタイピング技術がなければ、視点や意識が指先に集中してしまいます。
単語登録機能を活用すれば、手際よく出来るかもしれませんが、テキスト化した際の仕上がりは、おおざっぱで当たり障りのない、粗削りで平坦な内容になってしまうことでしょう。
また、考え事やアイデアを練り出したりする場合に、タイピングしながら整理していくことも考えられます。頭の中で構造化、関連付けを考えながら打ち込むと、効率が悪い上に、表面的な内容になってしまうことでしょう。
これらのこと、私なりに、仕事上のマンツーマンの面談で、いろいろ試してみた結論です。
聞き取りや取材時に深みを増した情報収集は、幹の部分から枝葉の先端まで、逃さないようにする姿勢が大事です。
記録化するための手法は、断然手書きのメモです。
タイピングに気を取られず,相手の言動だけでなくしぐさや雰囲気にも意識を集中し,ていねいに傾聴すると,意図,核心にぐっと近づくことができます。
貴重な情報素材を得るには、手書きメモが最強です。
メモを乱雑に書き留め、積み上げているだけではいけません。
テキスト化に向けて、見返して整理することが重要です。
見返した時に、その時の様子を克明に思い出すことができます。
タイピングの前のメモ取り作業は、高品質のアウトプット情報を作成するための有益な下ごしらえです。
2節 イライラ!あちこち目線を動かす手間と混乱を削る①
あなたはどのペーパーにメモを書きますか?
メモ用紙,ノート,手帳でしょうか。
私からはノートに書くことをお勧めします。
なぜ?
答えは、「探す手間が省けるから」です。
「何に書いたっけ」
「どの紙に書いたっけ」
と苦労したことはありませんか?
そしてさらに、今度はそのメモを見返す時に
「どこに書いたっけ」
「これなんて書いたんだろう?」
メモを見ながらいちいち考えたり、憂鬱になるくらい、自分で書き取ったメモを何度も見返して、時間を無駄にしたことはありませんか?
タイピング前の下ごしらえと言っておきながら、
下書きメモを見返すことに時間を浪費するのは本末転倒です。
「何かを探す」という作業は、大きなロスです。
人間は平均して1日10分ほど「何かを探す」ということに時間を費やしているそうです。
年間に換算すると約60時間になります。探すという無駄を省くだけで、貴重な時間という財産を、得ることができるのです。
どこに書かれたか、探す作業の手間を省くためにも
メモはノートに
ノートがムダっぽい印象を受けますが、時間のムダを削るための投資です。
3節 イライラ!あちこち目線を動かす手間と混乱を削る②
メモの探索,書かれた内容の判読・推理のために
目線を動かしたり,いちいち考え込んだり、
この効率の悪さはどうにかならないものかと、
メモ・ノート術の本を読んでは試しました。
そこで一番目を惹いたものが「マインドマップ」でした。
マッピングは連想を拡大することで発想などの活性化が図られる「広がる系」のメモ・ノート術だと思います。
ビジネスシーンで多用される
考え方、意思決定、分析、問題解決、戦略立案などに活用されている枠組み「フレームワーク」は、論理的思考を促す「整理系」のメモ・ノート術と言えるでしょう。
アイデアや困ったことの解決や名案をひねり出すことに長けている大変便利なツールだと思います。
しかしいずれも、取材相手の言葉を聞き取って書き取る際のメモ・ノート術とは応用範囲が違います。
書き取って、情報素材を蓄えるということに不向きだと感じました。
そしてマインドマップにヒントを得て、これをメモに転嫁する方法を考えました。ポイントは
「時間軸」に乗せる
ことです。
どんな言葉や内容が耳に入ってきても、一定の基準軸を据えてしまえば、整理できると思い付いたからです。
時間軸こそ、物事の整理に役立つ要素です。
4節 時間軸に沿ってメモ取り。見返し時に明確に再現!
話には必ず、筋道があります。
筋道は、時間をたどります。
セミナーに参加して、学習に臨む場合。
スピーカーは主張を携え、その主張を補強するために肉付けをして講演します。
必ず、主旨があります。聴く側は、筋道を捉えると理解がスムーズになります。
筋道は、順序立てられて構築されています。
話の内容は、時間軸で捉えれば、おのずから整理されます。理解が進めば、整理さらた上に、構造化された情報として頭にインプットすることが可能となります。
かつて情報整理術に関する書籍を出版して脚光をあびた
野口悠紀雄氏
は、書類をファイリングして整理する際の基準に、項目が多岐に亘る場合でも、時間軸を据えればシンプルに一括管理できる『超』整理法を提唱し、当該ビジネス書籍が大ヒットしました。
時間軸に乗せてメモをしていくのなら、同じように整理できるのではないかと思いついて、聴き取った内容を開いたノートに、時間軸に沿って書き取っていくと,非常に効率よくまとめることが出来ました。
何のことを意図して述べられているのか、
情報整理に情報がどの流れで
どのように発せられたか
考えながら手を動かし、整理しながら書き留めていきます。
時間軸に乗せて書かれたメモは、一目瞭然で、その場でインプットされた情報を俯瞰できます。
要は
「あ、ここで確か、こんなこと言っていた」
と気づきやすいのです。
では、具体的にどんな方法でメモを取れば良いのでしょうか?
そこで力強い助けとなる文房具が
多機能ボールペン
です。しかも回転式ではなく、ノック式が最適です。
このペンでメモを書くことにより,
書き取りながら整理することができます。
手書きのメモならではの効能を実感できるのです。