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2024年のスペインの漫画市場について発表があったのでまとめてみた

2024年の「マンガ統計」が公開され、スペイン国内のマンガ市場の現状が明らかになりました。本統計は、マンガの新刊発行数を中心に市場の変化を捉え、特に日本のマンガだけでなく、韓国のマンファや中国・台湾のマンファなど、アジア系コミック全般の動向もカバーしています。

詳細な分析などはきっと他の人が詳しく解説してくれると思うので、ここではざっくりと、何が発表されてどんな状況なのかだけ書いておきます。

発表されたサイトはこちら。

現状分析

2024年のスペイン国内における新刊マンガ発行数は、1655冊に達しました。これは前年から微減したものの、全体的に市場が安定していることを示しています。この数には、スペイン語だけでなく、カタルーニャ語(101冊)、バスク語(7冊)、ガルシア語(1冊)の新刊も含まれています。また、韓国のマンファ(65冊、前年31冊)、中国・台湾のマンファ(25冊、前年8冊)の新刊数が増加し、アジア系コミック市場が広がりを見せています。

出版社の動向

スペインのマンガ市場を牽引する主要出版社は、Norma、Planeta、Ivreaの3社です。この3社は例年トップの座を争っており、2024年も変わらず市場をリードしています。また、Milky WayやArechi、Paniniといった中堅出版社も安定した存在感を見せており、アジア系コミックを取り扱う出版社は42社と過去最高を記録しました。

集計方法と基準

この統計では、新刊として市場に登場したマンガのみをカウントし、再版や割引版は除外しています。ただし、新しいフォーマット(完全版、文庫版など)や新たな翻訳が施された再編集版はカウント対象です。
なお、ライトノベルやデータブックといった関連商品は含まれていません。

韓国・中国のマンガ市場の台頭

韓国のマンファや中国・台湾のマンファは、スペイン市場で急速に存在感を高めています。韓国マンファは前年比で倍増し、65冊が新刊として登場しました。また、中国・台湾のマンファも3倍以上に増加しています。この背景には、韓国のウェブトゥーンの人気や、中国の伝統文化をベースにした物語が新しい読者層を引きつけていることが挙げられます。

今後の市場予測

スペインのマンガ市場は引き続き安定した成長が期待されますが、次のような動向が見込まれます

韓国マンファのさらなる拡大
韓国のウェブトゥーンを基にしたマンファは、電子書籍市場の成長とともにさらに広がると予想されます。特にデジタルプラットフォームとの連携が鍵となるでしょう。

感想的まとめ

出版社と市場の動向や市場動向の考察についても触れられているので、詳しく内容を吟味したい人は、頑張って翻訳してみてるのも面白いと思います。
(私も、どこかで時間作ってちゃんと全体の数字を追いかけたい)

  1. 多言語展開の加速
    カタルーニャ語やバスク語など、スペイン国内の地域言語での発行が引き続き推進される可能性があります。これにより、地域市場の活性化が期待されます。

  2. 中国マンファの台頭
    中国のマンファは現在の成長ペースを維持し、より多くの作品が国際市場で注目されるでしょう。特に武侠や仙侠といった独自のジャンルが新たなトレンドになる可能性があります。
    (魔道祖師や天官賜福をきっかけに中華ファンタジーのドラマも流行り始めているようです)

  3. 新しいフォーマットやジャンルの需要増
    完全版や豪華装丁版といったコレクター向け商品や、マンガ以外の関連商品(ライトノベルやデータブックなど)の需要も高まると見込まれます。

  4. 市場の飽和と差別化の課題
    新刊数の増加は一見市場の拡大を示しますが、同時に作品の質や販売戦略の差別化が求められる段階に入っています。出版社間の競争がさらに激化するではないかと思われます。

2024年のマンガ市場は、安定した成長基調を維持しつつ、韓国や中国のマンファの台頭が新たなトレンドとして浮上しました。今後、デジタルプラットフォームや多言語展開が市場拡大のカギとなるでしょう。出版社や読者がどのようにこの変化に対応していくのかが、未来の市場動向を占う重要なポイントとなりそうです。
スペイン市場の動向は南米圏にも少なからず影響がでます。
皆さんは、どのように今後変化していくと思いますか?




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