シンガポール珍道中6|輪タクには絶対に乗らないでください!!
シンガポール珍道中6|輪タクには絶対に乗らないでください!!
男と女のラブゲーム。人生は面白い。12時間前には見ず知らずの外人同士だったのに一夜明けたらバスローブを羽織ってファーストネームで呼びながら仲睦まじくコーヒーを飲んでいる。人生万歳! (笑)
電話が鳴った。
「 Hellow, ○○ speaking. 」
案の定、社長の会社のシンガポール支店の役員だった。
どうやら、出迎えに来るはずだった社員がウッカリ忘れて、後から気付いて慌て空港に行ったが私がいないので支店が大騒ぎになったらしい。(笑)
仕方なく社長に報告して大目玉を食らったと恐縮していたが、社長は、私はどうにでもするだろうと笑っていたにちがいないのだが、、、(笑)
社長からホテルを聞いて朝を待って時間を見計らって電話したというのだが、余計なことで一晩気を揉んだであろう役員にすれば、好き勝手にする厄介な若造だと思っただろう。(笑)
2時間後にチェックアウトするのでフロントで会いましょうと言って電話を切った。約束の15分前、チェックアウトしようと思ったら支払いは済んでいた。背広姿の男性が声をかけてきた。電話の役員と彼の部下だった。名刺を交換して車でラッフルズホテルへ移動した。
あれからこの名前を忘れたことは一度もない。(笑)
18世紀、インドの統治を終えて東南アジアへの勢力拡大を図るイギリスは、交易の最重要拠点であるマラッカ海峡の制海権を掌握していたオランダに対抗するためにマレー語が堪能な東インド会社の書記官トマス・スタンフォード・ラッフルズを派遣しました。ラッフルズはマラッカ海峡への入り口になる半島先端に位置するシンガポールに拠点を築いてオランダに対抗する計画を立てました。
ラッフルズの目論見どおりイギリスはマラッカ海峡の制海権を握り、インドと中国の中間地点にあるシンガポールはイギリスの植民地として、自由貿易港として繁栄しました。
有名な話なので、ご存知だと思いますが、「シンガポール」の語源は仏教でお馴染みのサンスクリット語です。現在もインドネシアのスマトラ島南部にある南スマトラ州の州都パレンバンが昔シュリーヴィジャヤ という 仏教徒王国の都だった時、パレンバンから来たシュリーヴィジャヤの王子サン・ニラ・ウタマは海に流れ込む川のほとりで不思議な獅子と遭遇しました。その後、河口に街を築いた王子は、その街をサンスクリット語で「獅子の街」を意味する「シンガ・プーラ」と名付けました。
サンスクリット語は仏教用語として、日本人が日常的に使っているってご存知ですか?
例えば、旦那様のダンナはお布施をくれる人、つまり、お金をくれる人という意味のサンスクリット語です。
「あばたもえくぼ」のアバタは漢字では痘痕と書きますが、これもアバータ、できもの、腫瘤という意味のサンスクリット語です。
そもそも、私たちがお墓参りなどで諳んじる般若心経の「仏説魔訶般若波羅蜜多心経 観自在菩薩波羅蜜多・・・」は「プーセーマーカーハンニャーパーラーミータ」てな感じのサンスクリット語を玄奘が音写し当て字したものですから、真言=サンスクリット語ってことです。
また、噺が脱線しそうです。(笑)
偉そうなことを書いていますが、当時青二才の私はシンガポールを創設したラッフルズの名前さえ知らない無教養な野郎だったというお恥ずかしい話です。(笑)
さて、一日遅れで無事ラッフルズホテルへ到着して、社長に頼まれた届け物の引き渡しも完了した。
月曜から金曜まで休暇を取った私。時間はたっぷりあった。用意されていただだっ広い部屋。寝室にはキングサイズのベッドが2つ。トイレだけでも普通のホテルの部屋ほどでかい。
「支店長も夕食をご一緒させていただきたいと申しておりますので、後ほど改めてご連絡させていただきます。私共の不注意で大変なご迷惑をおかけして、さぞかしお疲れだと思いますので、それまでごゆっくりお休みください。」と丁重な挨拶をして二人は帰った。
ホテルのスウィートルームを更に広めたような部屋には収納場所が数え切れずあるが、スーツケース一つの私には無駄でしかなかった。(笑)
電話が鳴った。
彼女が今からホテルに行ってもいいかと聞いたが、私が断る理由などあるはずがなかった。(笑)
そうだった。このだだっ広い部屋に、私よりも相応しい女性がいたと思い出した。(笑)
気儘に書いていると、色々思い出して無駄話が増える。読者にとっては、書き始めのサブタイトルが意味不明になっているだろう。(笑)
『輪タクは絶対に乗らないでください!!』って何ですか?
ですよね。(笑)
この次の日、私と彼女は、今日のシンガポールでは起こり得ない輪タク事件に遭難することになりました。
長くなりすぎたので、そのお話は次回にさせていただきます。(笑)