グルテンフリー|小麦パンを悪者にしてるのは大型小売店と消費者です
小麦は古代から人類の大切な糧であり栄養源でした。人類は品種改良を続けて小麦を収穫しパンを焼き日常的に食べてきました。
しかし、1960年代に劇薬や放射線を使った人工的突然変異誘発技術によってモダンウィートという品種が出現しました。人口増加による食の産業化を進めていた企業は、従来あった小麦より何倍も大粒のモダンウィートに飛びつきました。
モダンウィートによって小麦収穫量は劇的に増え、安いモダンウィートと化学添加物を使って大量生産されたパンがファストフードチェーン店や大型小売店で大量に消費されるようになりました。
1970年代に入ると遅性アレルギー、グルテン不耐症と診断される患者数が急増し始めて20倍になり減少傾向はなく現在も増え続けています。
2000年代に入り、乳製品の乳糖不耐症とともに小麦製品のグルテン不耐症が問題視されるようになりました。
モダンウィートの大量生産、それを使ったメーカーによるパンの大量加工、コンビニ・スーパーなど大型小売店によるパンの大量販売。2000年代に入り、老若を問わずセレブや有名人の中に原因不明の体調不良や皮膚炎を訴える人が増えました。多くの科学者による原因究明が始まり、その原因が、モダンウィートと化学添加物を主原料として大量生産・大量販売されているパンやその他の小麦製品であると論証されました。
小麦は元々、野生のエンシェント・アイコーン(ancient einkorn;古代一粒小麦)から始まり品種改良を重ねて現在の小麦になり、その主流が収穫効率が最も高いモダン・ウィート(modern wheat;現代小麦)です。
では、古代小麦が無害なのに対して現代小麦が有害な原因は何でしょうか?
原因は現代小麦に含まれる強力なグルテンです。古代小麦のグルテンは腸で100%分解されて排出されますが、現代小麦のグルテンは分解されない残留物質が様々な健康被害を引き起こします。
古代小麦と現代小麦のグルテンがどれほど違うかが分かる動画をご紹介します。それぞれ約400gの生地にしてから澱粉を洗い流してどれくらいのグルテンが残るかを実験した動画です。古代小麦の生地はグルテンが全く残らないのに対して現代小麦の生地は画像のような大きなグルテンの塊が残ります。
この強いグルテン物質の一部が酵素分解されずに体内に残留して様々な健康被害を引き起こします。動画をご覧ください。
左:モダンウィート(modern wheat)
右:エンシェントウィート(ancient wheat)
2010年代にはグルテンフリーが叫ばれグルテンフリー市場が急拡大し1兆円市場へと成長し続けています。
モダンウィートと化学添加物を使って大量に加工されコンビニやスーパーなどの大型小売店で大量販売されているパンがグルテン不耐症の原因であろうことは否定しません。
しかし、ほどよいグルテンを含有した良質な小麦を使い化学添加物をほとんど使わないパンを焼いているパン専門店もたくさんあります。
にもかかわらず、大多数の消費者がコンビニやスーパーなどの大型小売店のパンを買い続けているのでグルテン不耐症は増加し続けています。
秋月先生が記事で述べられているように、小麦は昔も今も人類にとって大切な食品であり栄養源です。
日本でも、グルテンフリー志向が話題に上るようになりましたが、「グルテンフリー=小麦パンを食べない」というのは短絡的で誤りです。正しくは、「グルテンフリー=モダンウィートと化学添加物を使って大量加工大量販売されるパンを食べない」ということだと思います。
従来あるパン専門店の小麦パンの多くは安全でおいしい食品です。消費者にとっては健康リスクが有るパンと無いパンを知ることが一番大切なことです。
劇物や放射線を使った危険な人口的突然変異誘発技術で生み出されたモダンウィート。健康リスクを無視して大量加工するメーカー。それを大量販売するコンビニやスーパーなどの大型小売店。大量に消費されたコンビニやスーパーの小麦パンが様々な病気を引き起こしたために、すべての小麦パンが「悪者」にでっち上げられました。
誤解しないでください。小麦は昔も今も人類にとって大切な糧であり安全な栄養源です。しかし、大多数の消費者は毎日コンビニやスーパーのパンを買って食べています。その購買パターンが根本的に間違っているだけです。
米粉パンと小麦パン、私はどっちも大好きですが、コンビニやスーパーで売っている大量生産食品は絶対に体内に入れません。美味しい安全安心な小麦パンと米粉パンがもっともっと市場に増えるように願っています。
最後までお読みいただきありがとうございます。
エムケイコンサルティングUSA 村上絢香