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店舗の衛生管理体制の見直し|油断大敵!コロナだけじゃない今年もノロがやって来る
ノロウィルスは食中毒微生物のチャンピオン
COVIDパンデミックで多くの飲食店の営業時間が減り、手洗い・消毒などの衛生管理が厳しく行われた結果、2020年の食中毒発生件数は過去5年で最小の887件で 平均件数を20%下回りました。とはいえ、油断大敵、微生物界最強ウィルスはこの冬も必ずやってきます。
ということで、コロナだけではない。感染するととんでもない苦痛を味わうことになるノロウィルスについて改めてお話します。外食時の知識として頭に留めて健康な冬をお過ごしください。
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2013年3月、世界的に有名なデンマークのレストラン 「ノーマ」 で集団食中毒が起きました。更に、ローストチキンで有名な英国の 「ザ・ファットダック」でも 同じ食中毒が起きました。衛生管理が厳しい世界トップクラスのレストランで起きた食中毒に世界中が驚いたと同時に世界の有名レストランを瞬殺したノロウィルスの名が世界中に知れ渡りました。
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食中毒は、微生物による食中毒・化学性食中毒・自然毒食中毒の3つに大別されます。なかでも近年の食中毒発生原因の1位と2位がノロウィルスとカンピロバクター(細菌)の2大微生物です。
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細菌が増殖しやすい夏にはカンピロバクターによる食中毒件数が増え、空気が乾燥してウィルスの活動が活発になる冬にはノロウィルスによる食中毒件数が増えます。
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ノロウィルスによる食中毒は生カキが原因とされていましたが、解明が進み最近では製造担当者や調理担当者の手指から汚染して食中毒を起こす事例が多いことが分かっています。
ノロウィルスは元々人の小腸にいるウィルスでカキの汚染経路は、人の便>下水>植物性プランクトン>カキという経路で、汚染したカキを食べて中毒が起きます。
ノロウィルスによる食中毒が非常に多い原因は感染力で、感染者の便1g中に10億個のノロウィルスがいるとされています。ノロウィルスが10~100個あれば人から人へ感染するた1gの便で100万人に感染する計算になります。
ノーマやファットダックでの食中毒もノロウィルスによるものでした。ノロウィルスの場合、感染と食中毒の割合は8:2といわれていて圧倒的に感染が多くなっています。
衛生管理体制の見直し
こうした微生物に対する衛生管理体制も見直されています。
⚪調理人以外のフロアスタッフや納品業者を調理場に出入りさせない。
⚪調理場スタッフの手洗い方法・回数を定めて反復教育する。
⚪衛生責任者は毎日スタッフの体調をチェックして下痢など少しでも体調不良があるスタッフは休ませる。
⚪調理場スタッフ専用トイレを設置する。
⚪手洗い場の給湯設備を整備する。
⚪蛇口は自動給水にする。
などの指導がされていますが、それらが不備な店はいつ食中毒が起きても不思議ではありません。食中毒を起こした有名レストランも、こうした衛生管理体制に明らかな問題がありました。
前述のとおりノロウィルスは感染が80%で、店のスタッフの1人が症状のない健康保菌者であった場合、瞬く間に調理場スタッフ全員がノロウィルスに感染し、その手指で調理すれば料理が汚染され食中毒が起こリます。
トイレを客と共用している場合、客の一人が感染していれば、瞬く間にスタッフを含めた店内にいる人のほとんどがノロウィルスに感染します。
たとえ料理が一流でも食中毒に関する知識が曖昧であれば、どのようにして食中毒が起きたのかさっぱり分からないということになります。
外食店の選び方
年末年始、数は減ったとはいっても、あれこれと外食の機会が増える季節です。ノロウィルスに感染しないように外食店を選ぶことも大切です。
手洗い場の蛇口が自動給水(冬は温水)でなかったりトイレの出入扉が自動開閉でないお店は要注意です。せっかく手をきれいに洗ってもドアノブを触ったら簡単に感染します。
衛生管理できている店は手洗い場に消毒用エタノールとペーパータオルが常備してあります。手が濡れていると効果が出ないのでエタノールは手の表面の水分をしっかりとってから使用する。そういう注意事項を客が一目で分かるように掲示している店は衛生管理が行き届いています。
最後までお読みいただきありがとうございます。
コロナやらノロやら世知辛い世の中ですが、いつも笑顔を忘れず健康で楽しい師走をお過ごしください。
エムケイコンサルティング Kamishiro