特定創業支援等事業を活用しよう
これから創業する人,創業間もない人は,市町村が行う「特定創業支援等事業」を活用することで,登録免許税の軽減,補助金の特別枠の適用,融資利率の軽減など,創業する際の負担を軽くするさまざまなメリットを受けることができます。この記事では,その活用方法とメリットについて解説します。
特定創業支援等事業とは
こんにちは。独立未満の中小企業診断士(hiro)です。
政府は創業を促進するために,創業者に対していろいろなサービスと支援を行っています。
今回はその一つ,認定創業支援事業計画に基づく「特定創業支援等事業」について説明します。
国から認定を受けた市町村が、創業者のために行う経営、財務、人材、マーケティングなどの支援の取り組みを「特定創業支援等事業」といいます。
各市町村では、この事業の枠組みで、これから創業を考えている人から,すでに創業した人などを対象に,さまざまな相談,研修やサービスが行われています。
創業希望者・創業者向けのいろいろなサービス
サービスの内容や呼び名は自治体によって違いがありますが,創業塾、創業セミナー、ビジネスプランコンテスト、シェアオフィス、ビズカフェ,創業相談などのメニューが用意されています。
しかも,これらの多くが無料か,安い費用で参加,利用できるものばかりです。あまり経費をかけたくない創業者にとって,すごくありがたい話です。
ポイントをためるとメリットが受けられる
これらのメニューを利用すると,「特定創業支援等事業による支援を受けたことの証明」を申請して,証明書をもらうことが出来ます。簡単に言うとポイントです。
このポイントを貯めると、施策面でつぎのような優遇があります。
登録免許税の軽減(法務局)
創業関連保証の特例(信用保証協会)
新創業融資制度の特例,新規開業資金の特例(日本政策金融公庫)
小規模事業者持続化補助金の特例(中小企業庁)
費用が少なく済んだり、融資を利用する際のハードルが低くなったり、またもらえる補助金の上限額がふえたりします。
所定のポイントを貯めた創業者が使えるこれらの優遇策を、順に詳しくご説明します。
登録免許税の軽減(法務局)
登録免許税は設立した法人を登記する際に必要な費用です。
株式会社の登記だと、資本金の0.7%または15万円のいずれか高いほうが法律で決められた税率です。つまり、どんなに資本金が少なくても最低15万円かかります。
ポイントがあればこの費用が半額の7.5万円〜になります。
合名、合資、合同会社の場合も同様に、法定の税額の半分に軽減されます。
個人事業主で創業した人も、創業後5年未満のうちに法人成りする時に活用できる制度です。
創業関連保証の特例(信用保証協会)
金融機関から創業者融資を受ける際には、信用保証協会の創業関連保証を受けるケースが多いです。
創業関連保証が使える条件に、個人事業を1か月以内に開始すること、または法人を2か月以内に設立すること、とありますが、ポイントがあれば、この期間が6か月以内に延長されます。
期間が延長されることで、融資資金を手にしてから開業、設立までの時間に余裕をもって準備できることになります。
新創業融資制度の特例,新規開業資金の特例(日本政策金融公庫)
日本政策金融公庫には、新規開業資金などのような他の融資制度を無担保・無保証人で利用できる「新創業融資制度」というのがあります。
この制度が使える条件に、「創業資金総額の10分の1以上を自己資金で準備できること」とあるのですが、ポイントがあれば、自己資金がそれより足りなくても、足りていることにしてくれます。
加えて、「新規開業資金」を利用する際の利率が軽減されます。新規開業資金には、特定創業支援等事業の証明以外にも利率軽減策が用意されていますので、自分がどれに該当できるかチェックしておきましょう。
小規模事業者持続化補助金の特例(中小企業庁)
小規模事業者の販路開拓や業務効率化に必要な経費を補助する制度で、試作開発、店舗の改装、広告やwebサイトの制作、展示会の出店費用、生産設備、技術の導入など幅広く使える補助金です。
ポイントがあれば、この補助金の特例「創業枠」を活用することができます。
「創業枠」での申請は、補助金の上限額が50万円から200万円に引き上げられ、経費がたくさんかかる取り組みが可能となります。
まとめ
これから創業する人,創業間もない人は,市町村が行う「特定創業支援等事業」を活用するのがおすすめ。
創業塾や起業相談、ビズカフェやインキュベーションオフィスなど、市町村ごとにいろいろな支援メニューが用意されていて、安価または無料で使える。
登録免許税の軽減,補助金の特別枠の適用,融資利率の軽減など,創業する際の負担を軽くするさまざまなメリットを受けられる。
国や自治体は地域での創業をバックアップするためにいろいろな優遇策を実施しています。
創業当初の資金繰りには苦労がつきものです。事業を早く軌道に乗せられるように、これらを役立てましょう。
じゃまた!