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地方公務員が安定した仕事ですか?(1)

こんにちは、独立未満の中小企業診断士(hiro)です。

10年ほど前に、私が勤務している市役所を受験したいという学生を紹介されました。紹介してくれた人(この人も自治体職員)と3人で食事をしながら、その方に話を聞いたことがあります。

その話の流れの中で、当然「どうして市役所を受けようと思ったの?」と尋ねたところ、

「安定した仕事だと思ったので」という、まあこれもよくありがちな言葉が返ってきました。

採用面接なら、また少し違った回答だったかもしれませんが、気楽な食事の場です。

「なるほど、でも『安定』って、どんなところがそうだと思ったの?」と問いかけたところ、

「給料とか、仕事の内容とかでしょうか。」
とのこと、それ以上はあまり言葉が続かなかったようです。(めんどくさいおっさんと思われたかもしれません)

* * *

この学生さんの考え方が特別というわけではなく、一般に公務員の仕事は「安定している」と思われているのは事実です。

実際、給料はほぼ年功序列、決められたペースでしか上がりません。
仕事ができてもできなくても、昇給に差はつきません。
昇格すれば少しは基本給が上がりますが、長い目で見れば大した差にはなりません。まして管理職になると時間外手当がでません。

うん、たしかに給料は「安定している。」

また、職員としての身分も、悪いことをして懲戒免職にでもならなければ、退職まで努めていられますから、これも安定していると言えます。

だけどですね、自治体の仕事は3〜4年ごとに全く異なる仕事の部署に異動になることがほとんどです。(例外として、建築や土木関係の技術職員や、保健所、研究所の職員はだいたいずっと同じような守備範囲で専門性を高めていきます。)

だから、人事異動のたびに、いちから法律や制度を理解しなくてはならなかったり、関係者とのリレーションを構築したりしなくてはなりません。

正直なところ、地方公務員は、異動のたびに変化する環境のなかで、

  • 学びとアウトプットをやり続けることができる人

  • 面倒なことを器用に乗り切って、3年で次の職場に渡り歩くことができる要領が良い人

  • 上司に言われたことをなんとなくこなしていられるような人

でないと務まらないよなあ、と思っています。(言われた仕事をなんとなくこなして禄を食んでいられるのでは、困ることが多いのですが)

地方公務員の人事異動は、さながら職を変えるのと同じくらいの変化を強いられます。小さい自治体ほどその傾向が強いでしょう。

現場で求められている職員像は、やはり、変化の中で自ら学び、成果を出していこうという姿勢だと思います。

続きは改めて。
お読みいただきありがとうございました。
じゃまた!

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