歌詞の一文が長いのが好き
最近ヒットチャートではリズミカルに短いフレーズを重ねる曲が増えたような気がする。令和のスピード感か。クールなスピード感の曲でクールなダンスを踊るグループが次々に出てくるなぁという印象。
時代に逆行するかもしれないが、一文が長いと味わいが深まりやすいと思っている。そんな曲を平成J-POPを中心に挙げてみたい。
▲子供にも親しみやすいような言葉とメロディーだが、考えさせられる。
▲小説のような繊細な描写。このエモさは長い一文にこそ宿る。
▲二人の幸福感を丁寧に伝える。話は逸れるが「ありがとう」という身近な言葉にソラシドレ(調を変えるとドレミファソだろうか)という音階をつけているのが、一周まわってテクニカルというか、洗練ゆえのシンプルさという感じで凄い。
▲長い一文、案外アップテンポな曲にも合う。「長い長い」と「ゆっくりゆっくり」の反復法も効果的だ。
さて。
ボカロ(VOCALOID楽曲)愛好家の私としては、平成ボカロ名曲の歌詞からも長い一文を抜き出さないわけにはいかない。
ただ平成J-POP名曲よりは見つけにくかった。様々な才能ひしめく動画サイトでは、やはり短いキラーフレーズで即座にリスナーの心をつかむ曲が注目されやすかったのか。
▲ボカロでも失恋ソングだと長い一文が見つかりやすかった。短文では掬いきれない情念を感じる。
▲ハチ(米津玄師)は解釈しづらい歌詞を書くことも多いが、この曲にはクリアに(やや説明的なほどに)理屈が通っている。
▲彼が令和にヒットさせた「ヴァンパイア」が短文で畳み掛けてくるのとは対照的だ。2008年から今まで活躍するボカロPの、引き出しの多さを感じる。
お読みくださり、ありがとうございました。
「最近のヒット曲でも長い一文あるぞ」といった情報提供も随時お待ちしております。