見出し画像

Fiddlehead 『Between The Richness』 (2021)


7/10
★★★★★★★☆☆☆


米マサチューセッツのハードコアバンドHave Heart解散後、ボーカルのPatrick Flynnらが英サフォークのオルタナバンドBasementのギタリストと結成したバンド。2018年のデビュー作に続く2作目。Drug Churchと対バンをしたり、Turnstile・Snail Mailと3バンドでツアーを展開したりもしている。

爽快感のあるエモ・オルタナ・ハードコア。そのちょうど合間を絶妙に駆け抜ける。ボーカルはガナりも入れながら、基本しっかり歌い上げる。ハイトーンがよく伸びる。ギターはディレイなどの空間系エフェクトは使わず、シンプルなパワーコードを力いっぱい弾き倒す。ギターソロは無い。マスロック的な捻りも無い。ドラムはツーバスや2ビート等は使わず8ビートを基調にしたオルタナベース。エモさに過度に浸る場面は少なく、サラッとした端正な爽やかさが包む(それでもどこか儚い雰囲気が漂うのはもうジャンル特有のものだろう)。

このバンドでしか聴けない捻りやギミックは無く、かなりストレート。あえて捻りや哀愁を意図的に入れようという気がそもそも無いのだろう。無理の無い、無骨でストレートで高品質なバンドサウンドをしっかり味わえる。2023年、新作が楽しみなバンドの一つ。

2,3,4,の勢いたるや。終盤9,10で少し切なくなるのはお約束。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?