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Communions - Pure Fabrication (2021)
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4/10
★★★★☆☆☆☆☆☆
2018年5月〜11月にかけてシングルを4曲、2019年2月に5曲入りのEPを1枚リリースしているが、フルアルバムとしては2017年2月の『Blue』以来4年ぶりとなる。本作収録後にギタリストとドラマーが脱退し、Rehof兄弟の2人体制となっている。
本作はいわゆるカミング・オブ・エイジものだ。成長に伴う痛み。流砂に消えゆく青春の骸。その中で見出した暫定的な答え。それらが本作にもまた詰め込まれている。「成長というテーマは、僕たちにとっては痛みと犠牲を伴うものなんだ」と語っているが、その通りの内容となっている。
全15曲59分。1st『Blue』とそこまで大きな違いはないが、リヴァーヴやファズやディストーションの多用など、細かい試行錯誤や悩みの跡が見て取れる。だがそれらが完全に功を奏しているとは言い難く、この長さもあいまり、迷走気味の作品となっている。
まず、2018年にリリースされていた10〜13の4曲はいずれも名曲だ。特にThe Killersがアコギを使ってThe Stone Rosesをカバーしたような10と、FeltとThe Chameleonsが混ざり合ったような11は素晴らしい。12,13も静寂の雪景色を思わせる儚い雰囲気が良い。
新曲に目を移すと、初期Mewのような美しい空気感とハイトーンボーカルを存分に聴かせる14は、アルバムのベストトラックと言えるだろう。その他、勢いのある演奏に引き込まれる3,7、アルペジオとメロディが漣のように広がる15も素敵な曲。
ただ、大半の新曲(2,4,5,6,8,9)が奮わない。何をやりたいのかが伝わってこない。どこかで聴いたような演奏からは目標も熱量も感じない。このバンドでしか聴けないものが無い。明らかに迷走している。これらの曲を無理に褒めることは難しい。
苦しみながらも2作目を作り上げたことからは彼らの覚悟を感じる。だが本作からはこれが新しいスタイルだという意気込みを感じなかった。もっと悩み、突き抜けた彼らが見たい。『Blue』ファンのノスタルジーに寄り添い続けるだけの存在にはなってほしくない。
10〜13の4曲は2018年リリース。再録はされていない。2019年リリースのEPからは1曲も収録されていない。
Bandcampは24bit。ハイレゾ。