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2022年上半期振り返り (ベストアルバム)

2022年1月〜6月の印象に残ったアルバムを振り返る。画像は、各月の最も印象に残ったアルバム。

1月

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Cloakroomの「虚ろコア」なアルバムで幕開け。空虚な美しさを感じさせる音楽が好きな私にとっては大好物。Nothingでの活動が好影響を与えたのだと思う。あと、1月にして年間ベストがDeathcrashに決まった。これ以上の作品は今年は出ないと直感した。他にはUlverJesuKentばかり聴いていた。


2月

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人間の美しく愚かな営みを俯瞰して模写したalt-Jのアルバムは聴けば聴くほど好きになっていく稀有な名盤だし、種の一つの人類としての存在価値を生真面目に歌詞にしたBig Theifも傑作。この2バンドからは、環境問題やマイノリティ問題に安易に触れて茶を濁す凡百のアーティストとのセンスの違いを感じたし、特にalt-Jはとにかくメロディが美しい。Carolineも年間ベストクラスで良いし、Tears For FearsLo Moonはさっぱりした佳作だが、Beach HouseWhite Liesは少し冗長でしつこかった。あとはOliver BeardmoreのEPに感動した。


3月

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Binker Goldingの新作はスライドギターから幕を開ける。ジャズにアメリカーナやサントラ風要素を持ち込んだ他に無い音。ロードムービー的な爽やかさがあり、旅に出たくなる。他には、Jeremiah Chiu & Marta Sofia Honerの木漏れ日差すアンビエント、Alex Cameronの愛溢れる名作、Drug Churchの「オルタナコア」なアルバムが刺さった。Nilufer Yanyaは古き良きインディロック。安易にネオソウル/R&Bにもフォークにも逃げないのがカッコいい。Croatian Amorの北欧エレクトロニックアンビエントは叙情的で良いが、心に残る名作となるには何かが足りないと感じた。Placeboは上半期ワーストアルバム。


4月

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Hatchieは力の入り具合と抜け具合が絶妙。「曲の良さ」と「心地よいサウンド」に全力を注いだ、邪念のない作品。Fontaines D.C.はポストパンクバンドの群れから離れ、異様なオーラを纏い始めた。前作の方が先鋭的なセンスがあったように感じるが、それは本格派としての道を選び取ったこととのトレードオフだろう。Orville Peckからは金の力を学んだ。Omar Apolloは実力は感じるが、サウンド方向性には(本人のというよりレコード会社お偉いさんの)迷いを感じた。


5月

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Sam GendelDehdというかなり好きな2アーティストの新作が出た。強烈な作品ではないが、どちらも彼らに求める音がしっかり鳴っていた。ポストプログレの雄Pure Reason Revolutionは切れ味鋭いギターリフとエレクトロの見事な融合で、深みよりも即効性に寄った音作りが潔い。The SmileはJohnny Greenwoodの演奏が相変わらず凄いセンスを持っているものの、Tom Skinnerのテクニカルなドラムをもう少し聴きたかった。あまり化学反応を感じない。あとTom Yorkeの老いぼれボーカルに力を感じない。


6月

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FKJは全てを忘れて惚けさせてくれる。ここまで快楽主義な音を作れるのは、彼が非快楽主義者だからだ。Porcupine Treeはバンドとしてというより、Steven Wilsonがここ数年出してきた音の総決算という印象を持った。Porcupine Tree自体は大好きというわけではないがSteveの大ファンである私としては、望みうる中で最高の出来。Foalsは何というか軽薄だなと感じた。「パンデミックが終わった!踊ろう!」…こんなに頭空っぽな人達だったっけ。曲も出涸らし。



◼️下半期楽しみなアルバム

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Easy Life, Mura Masaはどれだけチャラくなっているか楽しみ。Museはどこまで吹っ切れて自分達を客観視できているか楽しみ。Oliver Simはどれだけ自己憐憫に陥らずに自分語りしているか楽しみ。Kokorokoは暑苦しさよりクールさに傾いていたらいいな。Editorsは先行曲聴く限りでは音は好きだけど曲そのものが少し弱いかな。あとはThe 1975, No RomeConor Albert, Oscar Jerome, Jamie Isaac, Tom Misch, Kamaal Williams, Yussef Dayesなどが気になる。Tribesは2023年らしい。下半期も、なるべく少ない枚数に絞って重点的に聴いていきたい。



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