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Valleyheart 『Heal My Head』 (2022)
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8/10
★★★★★★★★☆☆
マサチューセッツのインディロック/ポップロックバンドによる2ndアルバム。傑作。
Death Cab For CutieやPinegroveのような柔らかいエモさを基調に、Fountains Of Wayneのようなパワーポップ要素、1stや2ndの時のDMA'sや最新作のThe War On Drugsのような爽やかなアコースティックサウンドが、一曲の中で巧みに展開される。昨今のインディバンドのように硬派に気難しく仕上げるのではなく、00年代USポップロックバンドのように親しみやすく仕上げるところが良い。
ソングライティングは明らかにゾーンに入っており、名曲がズラリと並ぶ。本当に全曲同じくらい素晴らしいが、強いて挙げるなら、"Heal My Head", "Back & Forth"の激エモーショナルな展開、"Warning Signs"の爽やかなサウンドなどは特に素晴らしい。実質ラスト曲の"The Days"のメランコリックなアルペジオとメロディも切なく胸に迫る。
2022年上半期ベストアルバムとかの記事に一枚も出てこないのが何とも切ない。インディロック系はオシャレか小難しいアーティストが流行る時代だから需要が無いのかもしれないが、今のDCFCなら軽く蹴散らすくらいの名盤だと思う。