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Biffy Clyro - A Celebration Of An Endings (2020)
総評 : 6/10
Biffy Clyroの通算8枚目となるオリジナルアルバムが8/14にリリースされた。何回か聴いた現時点での感想は、「全盛期を過ぎたバンドによる最善の一手」。
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"The Champ"でのチェンバーポップ感や"Instant History"のEDMなど新要素は有る。とは言えこれまでのアルバムにもそれぞれ、それなりに新要素は有った。むしろ変拍子を特徴としたハードロックサウンドは本作でも中心を担っており、つまりその根幹に変化やブレは無い。
となると気になるのが曲自体の出来がどうなのか?だが、8枚目にしては安定して高い質を保っている。尤も、『Only Revolutions』や『Opposites』の書く度に大名曲が生まれる時代はさすがに終わっており、及第点前後の曲が並ぶ。
個人的には、メンバーがいつもDeath GripsやBlockhamptonをフェイバリットに挙げているので、もう少し大胆にインダストリアル、ヒップホップに寄ったアルバムも聴いてみたいかな〜と思った。ハンドマイクでギターレスで歌うサイモンの姿も見てみたい。
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まとめると、劇的な変化作でもないし、間違っても最高傑作ではないが、いろいろなことを加味するとこれが彼らの現在の最善のアルバムだと思う。タイプが近いアルバムとしては、Deftones『Gore』や、Silversun Pickups『Widow's Weed』が浮かんだ。
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なお本作の姉妹作も今年中にリリース予定だそう。全アルバムにB面集が存在する彼らですが、今回はB面集じゃなくて、姉妹作とのこと。楽しみ。
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"North Of No South"や"End Of" はまさにBiffy節のハードロック。ヘドバンしながらシャウトするサイモンの姿が目に浮かぶ。
"The Champ"はストリングスが上品に絡まる前半でオッ?と思うが、すぐにギターが入り、相変わらずだなという安心感に変わる。
"Tiny Indoor Fireworks"はキャッチーなギターポップ。"Pocket"、"A Tragic World Record"、"Tunnels And Trees"が大好きな私として、この路線で一枚アルバム作って欲しい。
"Space"はしっとりバラード。よく聴くとヴァースのリズムがかなり控えめにトラップなのが面白い。BMTHやMuseはもっと大胆にトラップを導入してたけど、このバンドは良くも悪くもそこまでチャラくなり切れないところがなんか面白い。
"Instant History"はEDM風のドロップが印象的。整理された音像が気持ちいい。でもライブでは爆音ギターロックに変貌しそう。
"Opaque"は"God And Satan"や"Medicine"に通じるもう一つのBiffy節=美メロアコースティックバラード。
その他の、#3、#5、#9、#11あたりは、派手な音だが印象には残らない。Biffyは昔から捨て曲も割と有るタイプのバンドだったし、特に気にはならない。