地方のスモールビジネス備忘録。起業を安易に勧めることの罪。
起業して自分がやりたかったことを始めたものの、理想と現実の違いに心身共に疲弊してしまったり、本当に自分がやりたかったことは何だったのか自分探しを始める。。。この原因として、起業すること自体が目標となってしまっていた、ということが結構あります。
多様化の時代に独立起業は良いことだという雰囲気がありますが、起業する側も起業を勧める側も、安易にこの雰囲気に乗らないことが大切だと思います。
起業自体が目標になってしまう理由
画一化から多様化の価値観へ、少品種大量生産から多品種少量生産の経済へ変化しているとされるなかで、終身雇用的な仕事観に対する反動として「自分の市場価値を高めよ」といった仕事観が、地方でも浸透してきているように感じます。
例えば、企業への就職よりも自分のスキルで食べていく独立起業的な働き方がより理想的といった仕事観です。
このような状況を指して、価値観の多様化が進んでいると言えるかもしれませんが、画一化の内容が変わっただけとも言えます。
「自分の価値を高めて独立起業すべし」という価値観を持っていたとして、それが刷り込みによる場合は、乗っかっているレールが違うだけで、前世代の「大企業に入るべし」という価値観と本質的には変わりません。
このように、前世代とは異なる画一化の結果として、就職自体が目標となることがあるのと同じ感覚で、起業自体が目標となってしまうことがあるのかなと思います。
起業自体を目標にするリスク
本質的には同じとしても、就職自体を目標とすることと起業自体を目標とすることには、大きな違いがあるため注意が必要です。
就職すること自体が目的となった場合でも、その企業のルールの中で働くことで、一定の給料を得ながら生きていくことができます。
一方で、起業自体が目的になってしまった場合は、起業したことに満足して何もしなかったり、自分の市場価値をうまく伝えることができなかったりすると、収入を得ることができません。
そのため、自分が考える人生を実現するための手段として就職と起業のどちらが良さそうか、という観点で考えておかないと、後になって「こんなはずでは。。」と悩むことになってしまいます。
特に10代や20代にとっては取り返しのつかない選択となるリスクがあるため、起業を勧めたり応援したりする側も、安易に起業を煽ることは無責任どころの話では済まない可能性があるということを肝に銘じておく必要があります。
仕事の価値観にもトレンドやブームのようなものがあるので、それに流されずに自分の人生を決めていくことができれば、あくまで手段として就職や起業を選択することになります。
起業するかどうかに関わらず、仕事を手段として捉える姿勢でいることで、仮に思ったような結果が出なかったとしても、反省することはあっても後悔することなく、次の一手を考えて進んでいくことができるのかなと思います。
以上、地方のスモールビジネス備忘録でした。
ごあいさつ
最後までご覧頂きありがとうございます。
当社は岩手県にて地域密着でやっていましたので、ぜひ他の都道府県の方の感想や意見、お話を伺ってみたいと思っています。
匿名でメールアドレス入力も不要でしたので、「面白かった」「当たり前すぎてつまらなかった」「自分はこう思う」などなど、率直なコメント頂けると嬉しく思います。
また、起業を考えている方や事業を行なっている方からのご質問や「これについてどう思う?」といったお話もお気軽にご連絡ください。
▼コメント用フォームURL
https://consent.town/comment
※匿名OK、メールアドレス入力不要です。