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中之島バラ園8「『ピース』という名のバラ」
「軍事侵攻」という言葉が現実となった今年の2月。
綺麗なバラとは関係無さそうな内容から始まる今日の話。
バラが好きな人たちの間ではよく知られているフランスのメイアンというバラの会社がある。
1935年、ここのフランシス・メイアンさんという人があるバラを作出した。
現在も存在する「ピース」という品種。
最初は「3-35-40」という試作番号だけだった。
中之島バラ園でも育てられているので写真を1枚。
(写真の下にも文章が続くよ)
名前 ピース
作出者 フランシス・メイアン
作出年 1935年(1945年と表記するバラ園もあるよ)
系統 ハイブリッドティーローズ(HT)
「木立性バラ」とも呼ばれていて小さな木のように上に伸びて1.5mほどの高さになり、全体の樹形は少し横に広がる
メインの話に戻すと正式な名前が決まる前に第2次世界大戦が勃発し、ナチスドイツがヨーロッパで攻勢を強めフランスに侵攻を開始。
このままでは「3-35-40」がこの世から消えてしまう。
そこでメイアンさんはアメリカにいるバラのパートナーのロバート・パイルさんに届けるために、帰国するアメリカ領事に頼んで「3-35-40」を持って帰ってもらったそうだ。
この話はNHK出版の「みんなの趣味の園芸」というウェブサイトに詳しく書かれているよ。
その後、世界中で戦争がとても激しくなった。
そして長い戦いが終わった1945年。
なんと「3-35-40」が無事だと分かった。
国によっていくつか違う名前がつけられたが「ピース」という品種名で今も愛されている。
このバラはこういう出来事もあり、またその素晴らしい美しさから「20世紀の最高傑作」と呼ばれる品種となった。
そして戦後もこの「ピース」と別の品種をかけ合わせて多くの美しいバラが誕生した。
これらをまとめて「ピースファミリー」と呼ぶ。
「ピース」は日本の多くのバラ園に植えられているので見ることができると思うよ。
では、また。