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PRIEM WIND ENSEMBLE 第8回演奏会(2019/5/3)

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『PRIEM WIND ENSEMBLE 第8回演奏会』に伺いました。(2019/5/3@三鷹市芸術文化センター風のホール)

楽団名の「PRIEM(プリエム)」とは、Process(試み)、Recherche(探究)、Inspection(検証)、Expression(表現)、Musique(音楽)の頭文字をとった造語で、演奏機会の多少に関わらず、様々な曲にトライしていこうと2011年に発足した吹奏楽団です。指揮はサクソフォーン奏者で音楽監督の隠岐 徹さんでした。

非常に意欲的な楽曲が並んだ硬派なプログラムでした。
・太田彌生:Antiphona to Peace
・E.カーター:Hiyoku 比翼 2本のクラリネットのための
・丹生ナオミ:朱雀抄 離宮(世界初演:PRIEM WIND ENSEMBLE委嘱作品)
<休憩>
・北爪道夫:Dancing Shadow
・北爪道夫:Side by Side(パーカッション:細川真実)
・西村 朗:秘儀Ⅱ ~7声部の管楽オーケストラと4人の打楽器奏者のための〜

30名〜40名程度のウィンドアンサンブル編成による演奏でしたが、前半2曲目のクラリネット2本のための作品と、後半2曲目のパーカッションソロだけの作品では、ステージ上の椅子と譜面台をすべて綺麗に片付けて演奏し、また次の曲のためにすべて戻すというステージ進行で、各楽曲を丁寧に紹介しようとする心構えが見受けられとても感心しました。

そして本番に駆けつけた作曲家の太田さん、丹生さん、西村さんが自作曲の演奏前にステージに登壇して楽曲の紹介をされました。北爪さんは都合によりお帰りになられたそうですが、本番前のリハーサルには立ち会われたそうです。

丹羽さんの委嘱作品「朱雀抄 離宮」は、木管の速いパッセージと変拍子のリズムで難易度の高い楽曲でしたが、とても明晰で素晴らしい演奏でした。北爪さんのパーカッションソロのための「Side by Side」を演奏した細川 真実 (Mame Hoso)さんは、その迫真に迫る圧巻の演奏で聴衆を沸かせました。すでに何度も自身の作品がこの楽団で演奏されているという西村さんの「秘儀Ⅱ」も、立体的で非常に聴き応えがありました。

これだけの現代作品を作曲者の意図通りに演奏していこうとするPRIEM WIND ENSEMBLEの活動は、とても意欲的で意義深い活動だと感じました。

皆さんもぜひコンパスを使ってコンサートをお楽しみください!


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