小林秀子と盟友たち(2019/9/22)
『小林秀子と盟友たち』に伺いました。(2019/9/22@相模湖交流センター)
ビオラ奏者の小林秀子さんは桐朋学園音楽大学を経てケルン音楽大学を首席で卒業。ミュンヘン国際コンクールで最高位(1位なしの2位)を受賞され、現在マンハイム音楽大学教授。1991年からサイトウ・キネン・オーケストラに毎年参加。2014年からは日本人として初めてドイツビオラ協会会長を努めています。
今回のコンサートではビオラの小林さんを中心に、ヴァイオリンのヤツェック・クリムキェーヴィッチさん・後藤和子さん、チェロのヨンチャン・チョーさん・マーティン・スタンツェライトさんが出演されました。
相模湖交流センターは豊かな自然と澄み切った空気に囲まれた神奈川県の相模湖畔にあり、多くの音楽家から「録音の聖地」と呼ばれる稀有な音響を持つホールです。客席と同じフロアの演奏者を取り囲むサロンコンサート・スタイルで開催されました。
プログラムの冒頭はアレッサンド・ローラの「バイオリンとビオラのデュエット Op.13-3」が後藤さんと小林さんのデュオで演奏されました。音響の素晴らしいこのホールに、二人だけの演奏とは思えないほど豊かな響きが届けられました。小柄な後藤さんが身体をとても大きく動かしながら弾く姿がとても印象的です。小林さんのビオラはまるでヴァイオリンを少しだけ強く太くしたような艶やかな音色でした。とても活き活きとしたデュオ演奏でした。
続いてのボッケリーニの「弦楽五重奏曲 op.11-5」では5人による瑞々しいアンサンブルが印象的。チェロが2本入ることによる豊かな低音がブレンドする厚みのある響き、有機的かつ立体的に立ち上がってくる音楽に魅了されました。
プログラム最後のシューベルトの「弦楽五重奏曲 D.956」は研ぎ澄まされた弱奏が圧巻でした。すすり泣くようなバイオリンの弱奏と激しい感情とのコントラスト、明るく快活で開放的な場面などが続き、終盤はまるで楽しいダンスのよう。5人の対話から生まれる芳醇で豊かな音楽を堪能しました。
皆さんもぜひコンパスを使ってコンサートをお楽しみください!
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?