the chamber music of percussion micro⇄macro(2019/10/22)
『the chamber music of percussion micro⇄macro』に伺いました。(2019/10/22@横浜市開港記念会館)
多方面で活躍する打楽器奏者7人が集まり、近年の打楽器奏者による作曲作品が中心に取り上げられ、打楽器の魅力を最大限に引き出すアイディアが散りばめられた公演でした。
出演したメンバーは下村みずき・高橋典子・田中彩央里・ 中野志保・成末 香里・馬場 栞・山辺茉友子の7名でした。
会場の横浜市開港記念会館は、日本大通り駅前にある美しい内装を誇る歴史的な建物です。大きな空間の講堂に打楽器の多彩な演奏が響きました。
プログラム最初は「Cairns: Rhythmic Ceremonial Ritual」というタンバリンだけで演奏される珍しい楽曲でした。客席に7人の奏者が均等に並ぶように配置されて演奏がスタート。途中で全員がステージ前方に集結し、横に一列に並んで隣のタンバリンを叩くなど視覚的な演出も楽しい演奏でした。
「加藤大輝:ケルベロス・ドラムス」では3人の奏者により複数のサイズのドラム(太鼓)を取り囲むように演奏され、スピード感のあるとてもかっこいい演奏でした。
「Bartolo: Duo for Snare Drum and Marimba」は2台のスネアドラムと2台のマリンバが2人の奏者で演奏されました。5楽章から成る楽曲でしたが、高い演奏技術とアンサンブル力により高い集中力で演奏されました。
「Westlake: Omphalo Centric Lecture」は4人の奏者により、2台のマリンバそれぞれを2人ずつで演奏しました。同じフレーズが繰り返されるミニマル・ミュージック的なリズムが心地よい時間を堪能しました。
休憩を挟んで、「Skidmore: Ritual Music」が4人の奏者によりマリンバ、タンバリン、複数サイズのドラムを使った多様な響きと大きなダイナミクスで演奏されました。
「Worden: Escape」はこれもとても珍しいトライアングルのみによる6重奏。とても小さなトライアングルから大きなサイズのものまで複数のトライアングルが使われ、楽器を前後に振って響きを持続させるなど様々な音色と響きを体感することができました。そして突然、空中に全員のトライアングルが放り投げられ、それを無事にキャッチすることで演奏が終わりました。
「Hartenberger: Telisi Odyssey」は5人の奏者により2台のマリンバと1台のヴィブラフォン、ドラムで演奏されました。ヴィブラフォンの柔らかな高音とマリンバの豊かな響き、そしてクロテイル(アンティークシンバル)による長い響きなど、多彩な音色と繰り返されるリズムを楽しみました。
アンコールには「Trivino: Shared Space」が7人全員で演奏されました。1台のヴィブラフォンを5人の奏者が取り囲んで一緒に演奏して始まり、その後マリンバやグロッケン、カホン、ドラムなどに分かれて演奏され、最後にまたヴィブラフォンに5人が集まって終わりました。素晴らしい立体感と響きの広がりが感じられる見事な演奏でコンサートが閉じられました。
皆さんもぜひコンパスを使ってコンサートをお楽しみください!
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