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故郷の絆が紡ぐ音楽の調べ―Terzetto di Viola Concert Vol.1

Terzetto di Viola Concert Vol.1 東京公演(2025/01/11@スペースDo)に伺いました。

このコンサートは、九州産業高校吹奏楽部の卒業生3人で結成されたグループ「Terzetto di Viola(テレツェット ディ ビオーラ)」による記念すべき東京初公演です。今回はゲストにピアノの江田諒太郎さんが参加しました。同郷ならではの絆を感じさせる温かい雰囲気と、多彩な選曲で魅了されるひとときでした。

プログラムはクラシックからミュージカルまで幅広いジャンルで構成されていました。特に、ユーフォニアム奏者の井手優成さんが手がけた編曲が印象的で、それぞれの楽器の個性を最大限に引き出していました。
最初に披露されたモーツァルトの「フィガロの結婚」は、軽快なリズムと華やかなアンサンブルが特徴。続く「パッヘルベルのカノン」では、和住智玲さんのトランペットの柔らかな音色と小森音弥さんのサクソフォーンの深みのある響きが重なり合い、クラシックの名曲に新たな命を吹き込むような演奏が印象的でした。
一方、「カルメン組曲」では、ビゼー特有の情熱的な旋律が生き生きと表現され、聴衆をスペインの情景へと誘いました。井出さんのタンバリンも演出を兼ねて花を添えていました。
「キラキラ星変奏曲」では、ピアノの江田諒太郎さんの伴奏を軸に、親しみやすい旋律が次第に変化する過程が楽しく、聴く人を飽きさせない工夫が光りました。

後半は「私のお気に入り」や「You Raise Me Up」といった親しみのある楽曲が演奏されました。特に「You Raise Me Up」では、サクソフォーンの小森音弥さんの繊細な音色が響き渡り、印象的な雰囲気を作り出していました。最後に披露された「美女と野獣」のテーマ曲は、映画の情景を思い起こさせるようなロマンチックな演奏で、公演の締めくくりにふさわしいものでした。

3人のアンサンブルはそれぞれの音色が調和し、若さのエネルギーを感じました。同じ学校で音楽を学んだ3人が、共通の経験と情熱を持って再びステージに立つという背景が、演奏にも表れているようでした。また、九州出身の彼らならではの温かさと郷土愛が音楽に滲み出ており、会場にいる観客に懐かしさを感じさせてくれました。

このコンサートは、音楽の楽しさだけでなく、同郷の仲間と作り上げる音楽の素晴らしさを再確認させてくれるものでした。「Terzetto di Viola」のこれからの活躍に期待が高まります。このような心温まるコンサートをぜひ多くの人に体験してもらいたいと思います。次回のコンサートが今から待ち遠しいです。

コンサートの詳細は下記からご覧になれます。
https://conpas.me/concert/detail/id/1907/

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