SOIREE BAROQUE フランス・バロックの夕べ(2019/12/12)
『SOIREE BAROQUE フランス・バロックの夕べ』に伺いました。(2019/12/12@日仏文化協会 汐留ホール)
出演したのはメゾソプラノの湯川亜也子さん、バロックヴァイオリンの三輪真樹さん、大鹿由希さん、ヴィオラ・ダ・ガンバの櫻井 茂さん、藍原ゆきさん、チェンバロの木村聡子さんの6名です。
会場の汐留ホールは、汐留駅から徒歩数分の現代的なビルの1Fにある小規模なサロンホールです。すっきりした響きで美しいバロック音楽の演奏を聴きました。
モレル(1700-1749)の『シャコンヌ』はヴァイオリン、2本のガンバ、チェンバロの4人編成。軽やかで優雅、清潔な響きがホールを満たしました。バロック・ヴァイオリンの繊細な響きとガンバ奏者の非常に高いテクニックで聴かせてくれました。サロンホールでは演奏者の息遣いまでが鮮明に伝わってきます。
マレ(1656-1728)の『ヴィオル曲集第4巻から「異国趣味の組曲」より「迷宮」』では、演奏前に藍原さんから題材となったギリシャ神話の物語の朗読があり、イメージを膨らませて楽曲を味わうことができました。2本のガンバとチェンバロによる演奏でしたが、もの悲しい旋律をガンバが歌い、悲劇性のあるストーリーを描いていました。
クレランボー(1676-1749)の『カンタータ「メデー(メデア)」』ではメゾソプラノの湯川さんが登場。強く美しく深い歌声により緊迫感のある楽曲が見事に表現されました。
バルバートル(1724-1799)の『クラヴサン組曲より』は木村さんのチェンバロソロ。作曲された時代的にフォルテピアノに近い楽曲ということでした。チェンバロといえばきらびやかな高音をイメージしますが、表情豊かで柔らかな中低音の響きのしっとりとした楽曲でした。
最後にクープラン(1668-1733)の『4声のソナード「スルタンの妃」』が2本のヴァイオリンと2本のガンバ、チェンバロという一番大きな編成で演奏されました。柔らかな弦楽の響きがホールいっぱいに広がって心地よく、ソロ演奏の妙技も見られ非常に聴き応えがありました。詰めかけた熱心な聴衆から大きな拍手が送られました。
休憩を挟まない短めなコンサートでしたが、終演後にロビーでドリンクが振る舞われ、演奏者と聴衆の交流も生まれていました。
皆さんもぜひコンパスを使ってコンサートをお楽しみください!