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エマニュエル・リモルディ ピアノリサイタル(2019/11/7)

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『エマニュエル・リモルディ ピアノリサイタル』に伺いました。(2019/11/7@横浜みなとみらい 小ホール)

エマニュエル・リモルディさんはロシアン・ピアノスクールに育まれたイタリア人ピアニストです。ミラノ・ヴェルディ音楽院にてピアノ科と作曲科を卒業後、チャイコフスキー記念国立モスクワ音楽院にて、エリソ・ヴィルサラーゼ氏の元で5年間研鑽を積み、トップ・オブ・ザ・ワールド国際コンクール(ノルウェー)にて優勝、マンハッタン国際音楽コンクール(アメリカ)にてグランプリ受賞及び、審査委員長を務めたイーヴォ・ポゴレリチ氏よりポゴレリチ賞の授与をきっかけに国際舞台で活躍するようになります。近年はノルウェー、イタリア、日本のマスタークラスにて後進の指導にもあたる。 また、いくつかの映画音楽の作曲も手がけています。

プログラムはモーツァルトの「自動オルガンのためのアンダンテ」、ショパンの「24の前奏曲」、モーツァルトの「幻想曲」、 プロコフィエフのピアノソナタ第8番でした。このコンサートはリモルディさんオリジナルの緻密な洞察により設計されており、モーツァルトとショパン、ショパンとプロコフィエフ、モーツァルトとプロコフィエフ、それぞれが映し出す鏡のようなイメージを持たせており、またそれぞれの曲にある生と死という共通のテーマが聴き手の共感を生む作用をもたらしました。

モーツァルトのアンダンテは精緻なピアニッシモの音の出だしから衝撃的でした。ここまで純化された音を聴いたのは初めてのことでした。清らかな思い、繊細さが支配する素晴らしい瞬間でした。続くショパンは、驚くほど自然にモーツァルトの音楽から引き継がれ、24の前奏曲はほとんど間を置くことなく連続して演奏されました。表情のコントラスト、第6番での新しい解釈、この曲はこう演奏されるべきという説得力に満ちたものでした!プロコフィエフのソナタ第8番は戦争ソナタと称される作品群の一つですが、暖かさと冷たさ、創造と崩壊、相対する感覚が時に激しく倒錯する、感動的な演奏でした!

皆さんもぜひコンパスを使ってコンサートをお楽しみください!


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