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宮下祥子&坪川真理子 デュオリサイタル 〜華麗なるギターソロとデュオの夕べ(2019/11/24)

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『宮下祥子&坪川真理子 デュオリサイタル 〜華麗なるギターソロとデュオの夕べ』に伺いました。(2019/11/24@ティアラこうとう・小ホール)

クラシックギターの宮下祥子さんは2002年のアンドレス・セゴビア国際ギターコンクールで第2位入賞、数多くの国際ギターフェスティバルにも招待されています。これまで世界12カ国32都市で演奏するなど国際的に活動しています。

坪川真理子さんはマドリッド国立上級音楽院ギター科を日本人女性として初めて卒業(優秀賞受賞)されました。帰国後はソロアルバムのリリースや、東京を拠点としたソロリサイタル、様々な楽器とのアンサンブルなど幅広く活動されています。

会場となったティアラこうとう・小ホールは、客席が扇状に広がり繊細なギターの響きが隅々まで豊かに届く140席を有する素敵なホールです。

プログラムは前半にそれぞれのソロ演奏、後半はお二人によるデュオ演奏という構成でした。
冒頭は坪川さんのソロで佐藤弘和の「3つの日本の歌」。故郷・荒城の月・村祭りというよく知られた日本の歌が、非常に凝ったアレンジと見事なテクニックで披露されました。トローバの「ソナチネ」はスペイン特有のリズムが心地よく颯爽とした演奏でした。
続いて、宮下さんのソロで2曲。ロドリーゴの「ヘネラリーフェのほとり」では、艷やかな美音に耳を奪われました。藤井敬吾の「羽衣伝説〜山入端博の旋律に基づく」はレコーディングしたばかりとのこと。ストーリー性に富んだ楽曲で、豊かな和音でゆったりと印象的に始まり、様々な奏法を駆使しながら劇的な展開を見せ、非常に面白く聴くことができました。

後半は宮下さんと坪川さんによるギターディオ演奏で3曲。
ソルの「ランクラーシュマン」は明るく楽しい作品。メロディーの演奏が交互に入れ替わるアレンジで、とても丁寧で繊細なアンサンブルでした。
佐藤弘和の「風の運んだ4つの歌」は、ノスタルジックな第1楽章「すすきの穂が揺れる」、高音の煌めきが繊細な第2楽章「舞い降りる粉雪」、アンニュイな雰囲気の3楽章「花の香にのせて」、雑踏のざわめきを感じるような第4楽章「熱風の中で」という、ストーリー性のあるとても心に残る作品でした。
プログラム最後に、ファリャの「スペイン舞曲第1番 」が厚いハーモニーと高いテクニックで丁寧に表現され、情熱的なこの作品を存分に堪能させてもらいました。

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会場に詰めかけた熱心なファンの拍手に応えたアンコールは佐藤弘和の「素朴な歌(2重奏版)」。優しいメロディーがホールを満たしました。曲間にはそれぞれトークがあり、楽曲の説明やお二人が共演することになったエピソードなどが披露され、終始和やかな雰囲気のコンサートでした。

皆さんもぜひコンパスを使ってコンサートをお楽しみください!


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