【DAY-1】 忙しい人向けの #Designship2018 まとめ
DAY-2まとめはこちら
ノゾエ(@conoito)です。
#Designship2018 DAY-1 の、スポンサーセッションを除く全タイムテーブルの内容を、感想を交えつつ全セッションをだいたい1分ずつくらいでざっくり知れる忙しい人向けのまとめです。
いそがしくない人は、このまとめで気になるセッションを見つけて、是非アーカイブを見て欲しい、聞いて欲しいです。とっても濃厚ですよお!
今回は、いつもお世話になっている仲良しの先輩方、せりかさん(@celica_i)、ひのふさん(@hin0arashi)、同期のこけしちゃん(@kisiko418)と一緒に参戦しました〜〜〜みんな何かと集いがち〜〜〜🤟
「核拡デザイン」を探求し続けて
中西 元男さん
経営にデザインを取り入れる重要性、経営とデザインの関係性についてのお話でした。
● そもそも、核拡(かっかく)デザインとは?
経営企業者に理解されるためのデザインとして、「核」と「拡」を満たすことで、経営変革を生み出すCI(コーポレートアイデンティティ)を構築できるとのこと。
● プロダクトの成長のためにデザイナーが今求められていること
工業化時代は、マーケティングの拡大のしかたが
「体力(人・もの・金・情報)」
↓
「知力(想像力・洞察力・開発力)」
↓
「魅力(表現力・演出力・伝達力)」
の順だったが、高度情報化時代に差し掛かる現代は、
「魅力(表現力・演出力・伝達力)」
↓
「知力(想像力・洞察力・開発力)」
↓
「体力(人・もの・金・情報)」
になってきていて、
魅力や知力で、人モノ金情報を集めるやり方になってきている。
市場と社会のメカニズムを、常に把握しなければならないというお話が非常に印象的でした。
● これからのデザイナーに求められる「仮説を立てる力」
これからのデザイナーは、「どう仮説を立てるか?」を考えられることが重要になってきたとのこと。
デザイナーがマーケティング、マネジメントの知識を持って、戦略的なデザインを考える必要が出てきているそうです。
● 感想
デザイナーが求められる力が、時代によってどんどん移り変わってきたのだなという様をまざまざと感じるセッションでした。
戦略的なデザインができる、マーケティングやマネジメントの能力を持ったデザイナーは、経営側にとって非常に貴重な存在になりうるのだなと実感しました。
トイレの美しさに向き合い続けて考えたこと
大塚 航生さん
モノを世に出すために、作り手とどのようなコミュニケーションを取るか、そのためにデザイナーが何を知っておいて心得ておくべきかのお話です。
トイレと便器のマニアックな知識も増えるお話でした。
● デザイナーが素材の性質をわかっていないとデザインできない世界
そもそも便器そのものは陶器でできているので、焼きの過程で13%ほど縮むんだり、形がものすごく変わるのだそうです。
こんなにも数値が暴れる、かなりクラフト寄りのプロダクトってそうそうない気がします。
だからこそ、デザイナーが素材のことについてよく知っていなければならないとのことでした。
● 0.1mm単位のデザインを実現させるために、職人からの共感を得る
工芸的なモノづくりは、どんな意図があるか、職人と共感を得ることができてやっと、デザイナーが実現したい形を実現することができます。
デザインを提案する段階で、設計的視点とバランス感覚を持ち、プロダクトの機能、パーツの数や種類や耐久性、すべての機能を理解してはじめて、0.1mm単位のデザインができるとのことでした。
● 技術的な理解があってこその"最強の"折衷案
知識不足や時間切れなどで、「デザイナーが考える理想30%のものしか出せなかった」では、いくらいいデザインを提案していたとしても実現不可能では全く意味がなくて、技術的な理解をしっかりと得てはじめて、80%の形を実現まで落とし込むことができて、それが本当に最強のデザイン案であるとのことでした。
● 感想
「折衷案」というとマイナスのイメージを持つかもしれないですが、実現させて初めて世の役に立てて意味のあるものになるので、悪いものではなくむしろ理想の形、常に心がけるべきことだなと思いました。
魅力を伝えるストーリーのつくりかた・つたえかた
きよえ氏さん
ブランドを確立したのち、人材が流動的な会社において、いかにしてそのアイデンティティを語り継ぐかについてのお話でした。
スライドの内容上がってます🙏
● ブランドのアイデンティティを語り継ぐことの大切さ
リブランディングの後、人が入れ替わったりする中で、1度決まったアイデンティティも伝言ゲームのようにどんどん内容が変わっていってしまうことはかなりよくある問題だと思います。
また、市場に受け入れられ続けるには、時代に合わせて継続的によいサービスを追求し続けなければなりません。
だからこそ作り手は、変化する前提でサービスを作ることを意識しなければならないそうです。
● サービスを長く続けるための、トップダウン x ボトムアップの取り組み
ビジネスにおいてサービスを長く続けていくための仕組みづくりについてです。
このような仕組みづくりを実践することは実際コストがかかることではありますが、ママリが掲げる「10年続くブランドをつくる」ためにかけるべき投資であることを自覚して、ブレずに実のあるものにしていくことが大切とのことでした。
● 感想
提案をわかりやすく周知して、着実に巻き込む力が必要だなと思いました。
この提案や取り組みが何の目標に基づいて実践されているかを提示することで、より理解も得やすそうです。
IoT時代における新しい音声体験のデザイン
京谷 実穂さん
「ボイスメディア - Voicy」のプロダクトについての話を通して、音声体験の可能性を知れるセッションでした。
スライドの内容上がってます🙏
● 音声体験の世界は、まさに今、黎明期にある
音声は今後、様々なフォーマットに対応することで、ライフスタイルメディアになりうるというお話です。
音声体験のデザインはまだまだ発展途上にあるので、スマートフォンが爆発的な成長を遂げたように、キラーサービスが生まれるなど革命が起きることで、音声体験の可能性は爆発的に広がるかもしれません。
● 音声体験は one media ⇄ multi format で爆発的に広がる
・one media ⇄ multi format
・10個のうちの適切な1個を提案するという音声体験特有のインタラクション
音声体験がさまざまなフォーマットに対応したときが、可能性が爆発的に広がる瞬間だというお話もありました。
● 音声体験は炎上しない?!
また、テキスト的なメディアだと、嫌いな人の嫌いなテキストだけをかいつまんで叩くことができるため、非常に炎上しやすいですが、音声的なメディアだと嫌いな人の嫌いな音声を聞き続けることはできないので、アンチによる炎上が起きづらいというお話も。確かに。
● 感想
私たちは今、情報を得る時はいつもスマホで俯いてばかりいます。
もっと視線を上に向けて、小さな画面に囚われない生活をできるようになれたら、もっといろんなことに気付けるようになって視野も広がるだろうなと感じました。
また、「この発表で、音声体験に興味を持ってくれたら」という言葉がセッションの最後にありましたが、まだ始まったばかりで、自分で可能性を開拓していくにはまさにぴったりの世界だなと思いました。
テキストにはない魅力、見つけていくのわくわくしますねえ。
感覚を鍛え、感性を磨く-デジタル時代の生涯教育
阿部 雅世さん
デザインをデザイナーのものだけにするのではなく、質を判断する力を身につけるためのデザイン教育としての取り組みのお話でした。
● 子どもがデザイナーになる瞬間は、素材を観察する力をつけた時
デザイナーなどの専門職ではなく、子どもや専門外に向けたワークショップで
・繊維や素材を良い触覚に落とし込む
・香りを色に落とし込む
・工業素材の触覚の検証
などを体験し、これらのワークショップを通して、なぜこの製品がこの素材でできているかを理解できるようになり、製品の質を吟味することができるようになるとのことでした。
デザイナーでなくても、デザイナー的な目を自然と育むことができるようになるというお話です。
● 自然の中から英数字を探す、視野を広げるワークショップ
人は何かをを探すという行為をすると、周辺視野の取り込みができるようになるそうです。
そこから、自然の中からアルファベットを探し出すワークショップを実践したというお話もありました。
子どもにとっては、自然の中で観察を突き詰められるとにかく楽しいワークショップらしいのですが、視野が狭まってしまった大人にとっては、観察の目が出来上がるまでにかなりの苦労を要するとのことでした。
● 感想
大人になると自分にとって関わりのありそうな事ばかり拾う習慣が染み付いてしまっているので、いざ視野を広げるトレーニングのワークショップをした時、きっと上手くいかずつまづくだろうなと思います。
子どものような好奇心と探究心を保ち続けることは、常に意識するべきだなとしみじみと考えさせられたセッションでした。
クリエイティブを競争力に デザイナーを10倍輝かせる組織作り
佐藤 洋介さん
ユーザーの期待値がものすごく向上している中、応用力のあるデザイナーをアレンジャーとして経営に巻き込むことに価値があるとのこと。
デザイン経営を実践するために、①環境・②浸透・③理解をもとに行う組織づくりのお話でした。
● デザイナー同士で高め合う「デザイナーロワイヤル」
デザイナー同士で、社内プロダクトの改善案を提示しプレゼンをし合って、ドヤって差を認識してそれに参加することが名誉になるまでに持っていく、デザイナーの承認欲求を上げる取り組みを行なっているとのことでした。
● より良いコミュニケーションでデザインと経営の距離感を保つ
デザインに対するレビューを行う際、マネジメントする側は、本人ではなくデザインに対する批評であることを自覚し、デザイナーは意図を考え汲み取る努力をすることが大切というお話もありました。
デザインと経営、またデザイナー同士でもよくコミュニケーションを取り、環境、浸透、理解をより良くしていくことが、デザイン経営を実現するための組織づくりにおいて重要だそうです。
● 感想
デザイナー同士で高め合う仕組み(デザイナーロワイヤル)は非常に興味深かったです。でもきっとものすごく大変…!
出すからには中途半端なもの作れないし、きっとそれをやりながら日々の業務は変わらずあるはずだし。。
でも力になるだろうなあ、似たようなことを社内でもやってみたい!!と思ったのでした。
ビッグデータから導き出されるビジュアルトレンド
宮本 哲也さん
ビジュアルトレンドをキャッチアップすることの重要性と、ビジュアルトレンドの今についてのお話でした。
● ビジュアルからコミュニケーションが始まる時代
今や84%のコミュニケーションがビジュアルから始まっているというお話からはじまりました。
なぜトレンドを予測するかと言うと、トレンドとして盛り上がっている時に素材が無いとどうしようもないよねというお話です。
● ビジュアルトレンドの今は、オーセンティック+ダイバーシティ
オーセンティック(嘘くさくないテイストの写真)
↓
反オーセンティック
↓
🆕オーセンティック+ダイバーシティ
"ダイバーシティ(多様性)"という言葉がかなり注目を上げていることがわかります。
● 感想
私の事業部では、絶賛グローバル化真っ最中なアプリを作っているので、ビジュアルトレンドが知れたのはそのまま業務に活かせそうな学びだったなと思いました。
写真素材を選ぶ際に、白人に偏りすぎたり、東洋人に偏りすぎたりする場合に、都度写真選びの見直しが入ったりする場面があるので、多様性のトレンドをしっかりと認識して業務に活かせたらなと思います。
ライブにイノベーションを起こすUXデザイン
柘植 秀幸さん
ライブビューイングは、見たいけど見れないライブを少しでも多くの人に届けられるといういい点はありますが、臨場感が欠けるという課題があります。
そんな課題を解決する「ライブの真空パック」的な取り組みのお話です。
● Real Sound Viewing :「ライブの真空パック」
楽器を実際に鳴らす装置と、楽器を実際に演奏している映像をマッピングして、まさにその場にライブをそのまま持ってきたかのような体験を得ることができます。
一体誰が、ライブを真空パックできるなどと考えたでしょうか。。。
まさかそんなことが実現できるとは・・・
● 感想
やはり、スピーカーから聞くだけ、会場全体の映像をプロジェクターで見るだけとは全く違う臨場感を会場で得ることができました。
本当にすごかった…!YAMAHAさんはとんでもないことをしでかそうとしてますよ…!!!
この世はこんなにも楽しく満たされていくんだなと、心から将来が楽しみになりました。YAMAHAさんすごいですほんとに。
越境するデザイン
田川 欣哉さん
デザイナーがデザインのことだけを考える時代は終わりはじめている。
デザイナーの枠を超えて、ビジネスやエンジニアリングのことに目を向けることの重要性を考えさせられるセッションでした。
以下にスライドまとまってます!
● デザイナーがデザインのことだけを考える時代は終わりはじめている
デザイナーはデザインにフォーカスしますが、ビジネスやエンジニアリングとコミュニケーションを取ることで、発明的なものが生まれる可能性があるというお話です。
テクニカルなことにフォーカスが行きがちですが、それだけでは勿体無いのです。
自分の会社が社会にインパクトを与えるために、デザインが何ができるかを考える。それはとても難しいことかもしれないけど、デザイナーの視点があるからことできる提案もあるとのことでした。
"私たちはイノベーションの時代に生きている。このような時代にあって、「まだ存在していないような仕事・はっきりとは定義されていないような仕事」にこそ取り組むような人間を育てていくべきだ。"
何かよくわからないものに少しずつ取り組んでいくべきで、そのよくわからないものは、まだ認められていない価値かもしれない。
それを展開していく仕事を大いにしていくべきで、「よくわからないけど、こうした方がいい気がする」みたいな、自分の中にある違和感を無下にせず、優しく扱ってあげてほしい、とのことでした。
個性を出せと言われがちなデザイナーですが、社会をよくしていくために個性を出すだけではダメだったりするジレンマもあったりします。
そんな時は、その時々で上手に使い分けて、どちらかを優先するんじゃなくて、バランスをとればいいじゃないという話もありました。
● 感想
田川さんのお話は、私みたいなそんなに頭のよくないペラペラの人間にも沁み渡る、わかりやすくて丁寧で思いやりのある言葉ばかりなので本当に大好きです。良さみが激しすぎてじんじんしていました(泣)
デザイナーが、下りてきたものを言われた通りに作るだけの時代はすでに終わっていて、気になる世界にはどんどん足を突っ込んでおっけーなのだと思います。
とはいえ私にはそもそもデザインのスキルが足りてないので、ひたすらに精進したいなというところですね。
おわりに
休憩の合間合間で、同行した4名と各セッションのことについてあれやこれやとお話をし合いながらだったので、自分の中でもうまく消化しながら全セッションを聴き終えることができました
「全セッションを1分ずつで知れる!」
なんてなんだか便利なタイトルにしてしまいましたが、各セッションの内容の熱量や深みはとてもここで語り切れるものではないです。おそらく全てをまとめあげるのに1ヶ月はかかります。本になってしまいます。そして私は灰になります。ですが、このまとめで誰かが少しでも何かを得られるのであれば嬉しいです。でもいそがしくない人がいたら、気になるものだけでも是非アーカイブを見て欲しい、聞いて欲しいです。(2度目)
帰り際にお互いセッションについて消化し合っていたところ、声をかけられ4人ともインタビューの録画の洗礼を受けたのですが、私は語彙力なさすぎたのでおそらくどこにも載りません!悲しいのでここに自分で載せておきます!
明日も1日ぶっ通しなので、誰かと一緒に参加している方は、いろんな議論を交わしつつ消化しながら楽しくセッションのシャワーを浴びまくるともっと楽しいと思いました
明日、#Designship2018 DAY-2 お楽しみに〜!
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