酒場の愉しみ
20代の頃はめっぽう弱かったお酒が、
30を過ぎてからなぜか人並み程度に嗜めるようになってきた。
BARに1人でふらっと入ったりもできるなんて陰キャの自分的には大成長である。
一度入ってなんとなく居心地が良いなと思ったお店は、そこに集まる人も面白い。
日常の小さな刺激というと変だが、知らない人と話すのは酒場を訪れる醍醐味だと思っている。
もちろん会話こそせずとも空気感を共有して心地よい場合もあるし、
え?ホントに今日初めて話すんでしたっけ?というほどディープな深層までたどり着く会話が繰り広げられることもある。
けれどそんな熱いやり取りをしたとしても、風呂に入り布団で寝て起きたら大半の内容は忘れている。それぐらいが程よい。
年齢とか家族、仕事などパーソナルな情報は話題を広げるエッセンスにはなれど、そんなことは別にどうでも良いというスタンスのやり取りがいい。
大事なのは、その場を楽しむためにどんなラリーをするかだけなのである。
小規模な箱ならではの、緩んでいながらもたまに走るピリっとした緊張感みたいなのを勝手にツマミにすることもある。
はたまた、常連さんしか居ないような店に入った時に感じるアウェイながらもビギナーを気にかけてくれる不思議なソワソワした空気感も嫌いではない。
いつもカッコいいなと思うのは、自分のタイムリミットを決めてサッと帰ることができる人だと思っていて、その時に小洒落た一言を残していったりする様に憧れる。
まだまだその境地には達せていない。
そしてそれらをとことん愉しむためにはやはり労働も良いスパイスになる。
働けば働くほど、飲むお酒は美味しい。笑