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詩→夭折、明の明星を見ながら、秋の夕暮れ(長歌)、地上の星、薄青い空に、痛みを越えて、流れ、る、一度くらい、不機嫌な子ども、エンドレス、空飛ぶ艇に乗って、a forth wave…
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2021年4月の記事一覧

真夜中の庭で

真夜中の庭で

 あるところに、照明が大好きな男が住んでいました。
 男は、自分の家の門灯や前庭を明るく照らすのが大好きでした。妻と自分の車を置いているガレージも明るく照らし、向かいの息子一家の家と貸し駐車場まで明るくしていました。
 困ったのは、息子一家の家のお隣の植物達でした。
 植物達は、夜はぐっすり眠って、昼は太陽の光を思いっきり浴びたいのに、照明が大好きで、隣近所まで照らさずにはいられない男のせいで、一

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不機嫌な子ども

不機嫌な子ども

お母さんは、「早く寝なさい。明日も学校でしょ?」っていうけど。
私は、学校が大嫌い。

同じクラスに、「あんた、私と同じ、みゆって名前なのが気に入らない!」と攻撃してくる子がいるし。

算数が分からなくて、ようやく、「分かりません」と言えたら、「もう!早く言いなさいよ!」と先生に怒られたし。

私は、本を読んでいたいのに、お父さんも、お母さんも、「本ばかり読んでないで、外で、お友達と遊びなさい。」

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一度くらい

一度くらい

嫌な夢を見ると、食べてくれるバクという生きものがいるらしい。
ぼくはまだ見たことがないけど。
嫌なことがあったら、食べてくれる動物もいればいいのにな。
ゾウみたいにおっきくて、ライオンみたいに鋭いキバとツメを持っていて、トラみたいに大きな声でほえる。
嫌なことは決してなくならないけど、その生きものがほえた瞬間だけ、気持ちがスッとするような……
お母さんや、お父さんに内緒で、クレヨンで描いてみたよ。

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流れ、る

流れ、る

流れ、る

疲れた。
「このマンガが面白い!」と誰かが言えば、みんな同じ方へ流れる。
自分ってものがないんだね。
あるいは、失敗するのが怖いのかも。

「特典のカレンダーカードは終了しました。」

「1から13巻品切れです。予約は出来ません。」

「14巻は、レジ前の台にあります。」

「在庫、22巻、23巻、外伝」

今の子は、人と同じものを持ってるだけで満足なんですよ。
インフルエンサーさんが

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