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自己評価ってこうして作られる~自己PRが下手すぎた友人の話~
自己評価の低い友人
私の高校からの友人に、学生時代に1年間インドネシアに行っていた女の子がいます。
なんでも、政府の留学支援プロジェクトに採用され、現地で日本語を教えるボランティアをしていたとか。
彼女はその影響で大学を1年留年したため、彼女より1年早く就職した私は、よく就活相談に乗っていました。
就活相談と言っても、エントリーシートの添削をしたり、たまにLINEで相談に乗ったりした程度なのですが、
私は彼女の自己PR文を読んだり話を聞いたりする中で、ずっと気になっていたことがありました。
それは、
「彼女は自分のことを過小評価し過ぎではないか」
と・・・
多くの就活生が履歴書やエントリーシートの自己PRで、いかに自分を凄い人間に見せるか、普通の経験をどうやって大きく表現するか奮闘しているのに対して、
彼女は人と違った目立つ経験を持っているのに、それを全くアピールしていなかったのです。
在学中の彼女の経験
冒頭で述べたように、彼女は1年間インドネシアに住んでいました。
よくある英語圏への短期留学ではなく、発展途上国に1年もボランティアに行くというのはとても勇気のいることだと思いますし、
それを自ら志願し、最後までやり遂げた彼女は本当にすごいと思います。
さらに、彼女はインドネシアの他にも、アルバイトで貯めたお金で1カ月間アメリカ留学にも行っていました。
「お金がないから」という理由で在学中の留学を諦めていた私は、その話を聞いた時ひどく情けない気持ちになったことを覚えています。
彼女のこれら2つの経験だけでも、
1. 発展途上国に1年間ボランティアに行くという積極性や世界に目を向ける姿勢
2. 1年間のインドネシア生活を通して得た様々な貴重な経験
3.アメリカ留学費用を自費で貯めたという目標達成力や根性
などなど、アピールできるポイントは腐るほどあるじゃないかって思います。
そのため、当時彼女の自己PRの文章を読んだとき、
それらの経験を全くアピールせず、一瞬で読み流されてしまうような平々凡々な表現でまとめられた文章に、
「はぁ~~~??」って気持ちになったことを覚えています。
(恐らく本人の目の前でも「はぁ~~~?」って言った気がする)
本人に聞いてみた
というわけで、今更ながら当時のことを彼女本人に聞いてみました。
学生時代にあれだけすごい経験をしていたのに、なぜ超平凡な自己PR文を書いていたのか、と(失礼)。
そして返って来た答えが、
「自分の経験が普通だと思っていた」
とのことでした。
・・・ん??????
どういうことだ?????インドネシアに1年いたことが普通・・・??
そんなことある?????
と疑問に思ったので詳しく聞いてみると、彼女は当時国際系の学部に所属する友達が多かったらしく、
周りの友達はみんな海外に行っていて、留学なんて当たり前だと思っていたのだそうです。
「いやいや留学とインドネシアのボランティアはちゃうやろ??」
と言ったのですが、他にも将来に向けて積極的に活動している人や、考え方が尊敬できる人が周りに多かったらしく、
自分のやっていることがすごいという認識がなかったんだとか。
だから当時どれだけ私や他の人にすごいと言われても、彼女自身は自分のことをすごいと思えなかったとのこと。
なるほどな~と思う反面、もったいないな~と思いました。
自分の経験も振り返ってみた
さて、ここで自分の経験も振り返り、似たような経験をしていたことを思い出しました。
ワーホリでオーストラリアに住んでいた時、どこの街に行ってもワーホリで来ている日本人はたくさんいて、それが当たり前のように感じていました。
今時ワーホリなんて普通なんだな、と。
しかし、帰国してかつての友人たちと連絡を取ったり、アルバイトの面接を受けたりする中でワーホリの話をすると、
オーストラリアでは当たり前だった経験一つひとつに対しても「すごい」と言われてしまうので、自分の感覚とギャップがあることに気が付きました。
あぁ、そういえばオーストラリアで経験してきたことって、日本で生活する中では得られない経験ばかりだったな、と。
そしてワーホリ経験のある日本人って、日本全体の中ではそんなに多くはないんだな、と。
行く前は自分も当たり前に持っていた感覚を、オーストラリアで生活する中で、忘れてしまっていたのです。
このことから、「普通」の感覚って、自分のいる環境によって変わってしまうんだなって実感しました。
自己評価は環境に左右される
彼女や私の経験から、自分の中の「普通」の基準であったり、自分の経験に対する評価って、
自分が現在置かれている環境によって大きく変わってしまうことがわかりました。
そしてその環境が変わると、その基準も変わってしまうものなんだな、と。
よくある例が、進学校やスポーツの強豪校にいると、周りに自分と同じぐらい、あるいはそれ以上のレベルの人たちがたくさんいるため、
自分が世間一般の「普通」の基準より上の成績を持っている自覚がなくなってしまうことが挙げられると思います。
(そして学校を卒業してからその環境の異端さに気付くっていうね)
自分のいる環境に感化されて、今までより高い目標を目指せたり、それまでと違ったことに興味を持てたりすることは素晴らしいと思うのですが、
感化されすぎて自分の行動を客観的に評価できなくなってしまうと、自己評価や自尊心が下がってしまい、
正当に自己アピールできなくなってしまう可能性があるな、と思いました。
特に、就活のように自分を客観視し他者にアピールする必要がある状況においては、彼女のように自己評価が下がってしまうのはもったいないなと思います。
自己評価は他人と比較して生み出されるものだとは思いますが、
その比較する「他人」がどんな環境の、どんな立場(レベル)の人間であるかによっても、大きく変わってしまうと思います。
だからもし自分に自信がなくなったときは、自分が今在籍している環境にいない人たち(今まで接点のなかった人たち)と比較してみることで、
自分の突出したところが見えてくるかもしれないなって思いました。
誰かにとっての何かの参考になれば嬉しいです。
ではでは。
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