1.『しゃべるピアノ』【ショートショートnote杯】参加作⑧
そのピアノが一度しゃべり始めたら初心者ですら
「ラ・カンパネラ」でも「エチュード」でも
奏でることが出来るという。
しかしこのピアノ、たいそう
性格が悪いことで有名なのだ。
そして今日も
悪態をついてピアノ弾きと
大げんかをしている。
引いた鍵盤から
#ミではなくゲップが出た 。
しかもとても臭いのだ。
「ギョウザをね、昨日食べたんさ」
♭シではなくおならも出た。
それもとても臭かったのだ。
「オレね、おいも好きなん」
そして何故かショパンを
弾こうとすると怒り出す。
「こいつは結婚詐欺師だお!」
と訳の分からぬことを言って
練習どころではない。
「まぁ、俺に任せとけよ。
本番はきっちりやるからよ」
その当日。
前夜祭で二日酔いのピアノが
奏でたベートーヴェンの「月光」では
「〇〇仮面」を上機嫌で歌い上げ
そのあとの「悲愴」も
たいそう「悲惨」なものだったとか。
このしゃべるピアノは
コンクールから外され
今は「駅ピアノ」として
皆の相談相手をしながら
過ごしている。
◇◇◇◇◇◇◇410文字❤◇◇◇◇◇◇◇◇
#ショートショートnote杯
課題作10作+αのうち
9作目が出来ました。
下書きは
昨日の会議に仕上げました。
そして今朝アップしました。
おもしろいねぇ。
高橋さん、ありがとうございます。
ヒスイさん🔥
哀しくも美しいピアノが(;_;)
逸品やわ〜
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