覚えていた方が良い医学用語②

「CTCAE」

CTCAEとは有害事象共通用語基準のことです

抗がん剤治療において、副作用の度合いを記録に落とすことは非常に難しいことです。

看護師は、どう取り組んできたのかちょっと興味があったので調べてみました。


【SОAPという記録方法】

看護記録の方法として、代表的な記録方法がSОAPです。
私たちが良く耳にするのが、報告に用いる5W1Hです。
その看護記録、バージョンでしょうか。


S subjective  主観的情報
⇒対象者が話した内容などから得られた情報

О objective  客観的情報
⇒診察や検査から得られた客観的な情報

A assessment  評価
⇒医師の診断や、ОやSから内容をもとに分析や解釈を行った総合的な評価

P plan       計画(治療)
⇒Aに基づいて決定した治療方針、内容、生活指導など


【メリット】
様々な職種が入れ替わる、医療看護の分野ではSОAPを記録の共通ツールとして用いることで多職種との連携がスムーズに働くようになります。

一番のメリットは内容の整理が容易で、問題点に焦点を当てた記録や情報収集が可能になることです。


【デメリット】
慣れるまで時間がかかる。
評価が難しいので、うまく使える人と使えないが人が出てくる。
記述式なので時間がかかる
医学や薬学や看護学を勉強していない患者にはとてもじゃないけど使えない

ゆえに、患者が書く主治医に対する報告書にはSОAPは使えません。


では、しびれや嘔吐、便秘の度合いを主治医をはじめとした医療従事者に
伝えるにはどうすればいいのか。
それがCTCAEのグレードを使用するやり方です。

私の妻の場合、抗がん剤における有害事象は、CIPN(抗がん剤治療の副作用によるしびれ)がメインで、その次は倦怠感、あとは問題がなかったので報告事項からは外しています。

倦怠感については、ほとんどが抗がん剤治療後の5日までなので最終的には、CIPNに絞って報告をしました。

妻の場合は、
牛車腎気丸、メチコバール、サインバルタ(デュロキセチン)、タリージェという鎮痛補助薬を使ってしびれを緩和しようとしました。
ですから、日々の変化をPSとCTCAE(末梢神経障害のみ)のグレーディング(数値化)を用いて報告していました。

CIPNを表すためにCTCAEv4.0を用いたグレーディング

グレード1  軽等症
グレード2  中等症
グレード3  重等症
グレード4  要治療


上記は、国保坂下病院3西病棟看護師による
「抗がん剤治療による有害事象の記録方法の改善」
~CTCAEを利用した記録チャートで観察点を明確に~を参照させていただきました。

ちなみにこの病院では

以前は記録方法にSОAPを使っていたが、観察項目に偏りがあったことが
明らかになった。

それが
CTCAEチャートを使うことによって、観察内容の偏りが改善し統一した記録が可能になった。
らしいです。

これを患者が使えるようになれば、医療従事者との情報共有に繋がり、良い治療成績を得られる可能性が高まるのではないでしょうか。

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