覚えていた方が良い医学用語③[奏功率]
【奏効率とは?】
あるがん治療法を患者に用いた際、その治療を実施した後にがん細胞が縮小もしくは消滅した患者の割合を示したもの。
抗がん剤治療における奏効率の定義
完全奏功
CR(Complete Response)
がんが消えて4週間持続した状態
全ての標的病変が消えて4週間持続した状態のことです。
ランダム化試験では適用外
部分奏功
PR(Partial Response)
30%以上がんが減少し、4週間以上持続した状態、
標的病変の長さの合計が30%以上減少し、それが4週間以上持続した状態のことです。
ランダム化試験では適用外。
進行
PD(Progressive Disease)
20%以上増加と、絶対値で5mm以上の増加。
標的病変の長さを合計したものが20%以上増加し、
かつ5mm以上増加した状態。
安定
SD(Stable Disease)
どちらにも相当しない
部分奏功および進行の基準のどちらにも当てはまらない状態。
RECISTガイドラインより抜粋
そういえば、抗がん剤治を療を受けていく中で、
「このレジメンすの奏効率は〇〇%です」
と主治医に言われたことって、ないんですよね。
多分、奏効率の話しても、私たちが理解するどころか誤解する可能性が
あったからなんでしょうね。
妻が抗がん剤治療のファーストラインで使用したレジメンが
Folfoxiri+アバスチン療法です。
その奏効率が65.1%だったんです。
この数字をどう取るかは主治医や患者によって違うのでしょう。
このレジメンを使用する患者は大腸がん、ステージ4(3もいるかも?)で間違いないでしょう。
奏効率65.1%、効かない可能性は35.9%。
どっちに転ぶか分からない状況でした。
ただ、レジメンを複数提示されて「どちらにします?」ではありませんでした。
「治療、がんばりましょうね」くらいしか言われなかったような。
私たちが、抗がん剤治療前に主治医に伝えていたことは
まだまだ生きる
そのために、肝臓の腫瘍は何が何でも切りたい
という強い覚悟でした。
それを受けて主治医は、Folfoxiri+アバスチン療法だけを提示したのか?
仮に、奏効率が35.9%でも、同じレジメンを選んでいました。
強いレジメンは体力のあるファーストラインにしか使えない。
それだけは、知っていましたから。
奏効率は、ひとつの目安にはなります。
しかし、患者の取り組みで奏効率だけではなく、MST(中央生存値)やPFS(無増悪生存期間)の底上げは
できると、私たちは考えています。