救急外来の仕組み①
【A-DROP システム;使用する指標重症度分類】
1,男性 70 歳以上,女性 75 歳以上
2,BUN 21 mg/dL 以上または脱水あり
3,SpO2 90% 以下(PaO2 60 Torr 以下)
4,意識障害*
5,血圧(収縮期)90 mmH 以下
【重症度分類 治療の基準】
軽症
上記 5 つの指標の何れも満足しないもの. 外来治療
中等症
上記指標の 1 つまたは 2 つを有するもの 外来または入院
重症
上記指標の 3 つを有するもの 入院治療
超重症
上記指標の 4 つまたは 5 つを有するもの 緊急入院
ただし,意識障害,ショックがあれば 1 項目のみでも超重症とする
注意
この内容は、ただの介護福祉士が色々な文献を参考にしての考察です。
実際に大腸がんステージ4の妻が何回か救急外来を利用した際の個人的主観を多く含んだ内容です。
指標などの真偽については、主治医をはじめとした医療従事者に確認をして下さい。
あえてこれを書いた理由は、知っていれば事前準備ができる、
本来入院治療をする状態でも、ベッド数を確保したい病院の都合で外来治療にさせられて患者に不利益が生じることがあるかもしれないからです。
実際に妻が、受けなくても良い不利益を受けました。
皆様には、参考事例のひとつとして頭の片隅に置いていただければ、色々と便利かもしれません。
以上、ご理解のほどよろしくお願いいたします。
【A―DROPとは】
A―DROPとは高齢者が救急外来を受診した時、入院治療させるかどうかの判断基準になる指標です。
救急外来のある病院では必ずガイドラインがあり、あくまでも基準のひとつです。
そもそも、救急外来とは時間外の診察を受けられる場所です。
あくまでも、朝になるまでのつなぎという側面もあります。
救急外来は主に研修医などの若い医者が当直医として診察します。
一般的には、研修医と上級の指導医がセットで当直医になっていることが多いようです。
結果として、救急外来は研修医が経験を積む場でもあります。
ゆえに高度な治療を受けることを期待してはいけません。
救急外来では診察、処置、画像検査を受けられました。
命に関わる重篤な症状の場合は、大学附属病院に回すこともあるでしょう。
患者の受け入れに時間がやたらかかる場合はいわゆる大人の事情が生じている可能性もあるのでしょうね。
【ベッド数の確保という大人の事情】
救急外来に来た患者を手当たり次第に入院させると、肝心な時にベッドが無いということになりかねません。
本来、入院をせずに外来治療で済む患者を入院させることは、病院の機能低下にもなります。
入院基準を医者の勘と経験を用いるのは色々な意味で良くありません。
そこで、入院基準を数値化することで、判断に迷わないで済みます。
しかし、あくまでも数値は数値にしか過ぎません。
数値は大切ですが、本当に大切なのは総合的な判断です。
診察する医者が診察学でいう、パターン1(表情を読み取り、出ている症状から精度の高い仮説を複数立てる。いわゆる第6感を使う手法)とパターン2(画像検査、血液検査など科学的手法を使う手法)を駆使して速やかにそして正確に診断を下さなくてはいけません。
これを研修医が行い、上級医の評価とコンサルを経て患者に診察結果と所見を伝えます。
続きます