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Voluntaryでも構わない〜結果を出そう

これまで、日本のカーボン・クレジットやETSについては、何度となくお届けしてきました。で、必ずしも、ポジティブな内容でなかったことも事実。


ですが、先日参加したGXスタジオで事務局をされている野村総研の方々や、参画企業及び経産省の方々と意見交換する中で、少し期待値が上がりました。ぎゃくに、「やるじゃないか」とさえ思えてきました。

というのも、これまで、「完全を期す」からこそ、数多の失敗を繰り返してきた体と思います。責任を追及されないように、完成レベルのものを目指すからこそ、導入が遅れに遅れ、でも「完全」などないから、当然失敗も起こりうる。

失敗も仕方ないのだけど、十分な「検証」「振り返り」もなされないので、カネと労力に加え「経験知」も水泡と化してしまう。で、政権や政策が変わると、その時既に担当者は変わっており、やおら似たり寄ったりの施策が浮上してくる。環境NPO/NGOは変わらないので「いつか来た道」に見えてしまう。

そんな日本アルアルの現状から出てきた「GXリーグ基本構想」

「官主導で行うと責任を負わされるから、民主導にしよう」
でも、その実、「裏でコントロールしよう」という魂胆か

な〜んて、穿った見方をしておりました。
これまでの「排出権取引市場」の議論や試行をみていた自分としては、こう思わせるに足る十分な根拠があったのです。

加えて、昨年から今年にかけてのJPXで試行事業及び先月から本格稼働した、カーボン・クレジット市場での売買状況をみると、「やっぱりね」と思って当然かと。

しかしながら、試行事業の知見を本格稼働では活かしているし、現状は想定内とし、今後のロードマップも見えている。実際、事務局と意見を交わし、私が考えている論点・問題点は既に認識済みであることも確認できました。

ここで、ハタと気づきました。
「この段階でよくリリースしたよな」とさえ思いました。

前述したように、「石橋を叩いて、叩いて、叩き壊して渡らない?」くらい用心深いと思っていた政府が(今回は民ですが)、「まずは、やってみよう」で稼働に踏み切ったことを、評価してもよいのでは?

EU-ETSを例に挙げるまでもなく、海外では「Learning by running」が主流。
日本も、これまでの頸木から解き放たれたのでしょうか。

いずれにせよ、「結果」を出せば良いのです。

何度となく「ETSは国主導でmandatoryではないと意味が無い」と批判一辺倒でしたが、訂正します。もちろん、voluntaryかつNDCを超えた場合のみ取引が必要になる点で、CBAMなどの国境調整措置においてのデメリットは発生するかもしれません。

それでも、確実に国全体として排出量削減が達成できるのであれば、文句を言われる筋合いはないはず。

ETSを導入している国・地域によって構成されるICAP(International Carbon Action Partnership)も、大幅な排出量削減が実現できている成功事例として、東京都排出量取引制度を挙げています。(東京都はmandatoryですが、voluntaryだったとしても、紹介されたでしょう)

逆に、voluntaryの強みは「誰でも参加できる」ことでしょう。
企業規模により要求事項に差が設けられているので、ハードルは下がっています。
やる気がある企業には、やる気を示す環境が整っているのです。

GX-ETSにおける第1フェーズのルールより

先日、価値基準は、これまでの金銭価値から環境価値へ移行していくのでは?
という記事を書きました。

企業価値は、企業自身が「決める」ものではなく、お客さまや取引先、株主、地域住民の方々など様々なステークホルダーとの関係性の中で「決まる」ものだと思います。

もしかして、「プライム市場上場企業」ではなく「GXリーグ参加企業」の方が評価される世界が訪れるかもしれません。

東証もvoluntaryなら、GXリーグもvoluntary。

これからの、GXリーグの成長、期待したいです。
それには、皆さんの協力が何よりも必要。
応援していきましょう。

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園田隆克@GHG削減サポーター
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