予定通り、日本版S1・S2の公開草案(ED)が2024年度3月末、最終稼働日の3月29日にリリースされて半年経過しました。
公開後、7月末を期限として、EDに対する意見募集が行われていましたが、寄せられたコメントが公開されています。
期限経過後提出のあった1社を含めて、計102社が意見提出を行ったようです。欧州委員会のコンサルテーション後の公開と同じく、原文がそのままPDFで参照できる形になっています。
もちろん、委員会のコメントはありません。
それぞれに対する、委員会の対応が公開されるかは分かりませんが、精査され、今年度末の確定基準の策定が行われるのでしょう。
内容については、これから斜め読みをして見たいとは思いますが、まずは、102社について、簡単な分類をしてみました。10名の公認会計士の方が個人名で提出されていましたので、残りの92社について行っています。
分類に誤りがあるかもしれませんが、ご容赦下さい。
なお、左の数字は、提出順の通し番号です。
PRIやGRI、ICGN、PCAF、GFANZ、CDP等、世界の名だたるイニシアチブは当然として、海外ファンド及び海外の年金基金の存在感が目につきました。
これは、GX経済移行債が国際的にも注目されているからなのでしょうか。
2024年2月には、初の入札が実施され、10年債と5年債で合計約1.6兆円を調達。この初回発行は予定通りに進行し、DEALWATCHAWARDS2023でInnovative Debt Deal of the Yearを受賞するなど、高く評価されたとのこと。
GX経済移行債は、国際的なNPOであるClimate Bonds Initiative(CBI)から、クライメート・ボンド基準(Climate Bonds Standard)に基づく認証を取得しており、国際的な基準を満たしていることが証明されていることから、海外の投資家からも信頼を得ている、という説明は説得力があります。
とはいえ、海外の国債で一般的な環境債(グリーンボンド)ではなく、移行債(トランジションボンド)にする考えのようなので、適格な投資判断ができる、信頼性の高い情報開示がなされるような基準が策定されるのか、注視しておきたいところなのでしょう。
利用者側のコメントは、業界団体が主体となり、先進的な取組を行っている事業会社が個社として提出している形ですね。個人的には、家電や自動車、運輸関係からの提出がないのは、何故かなとも思いました。
グリーン&デジタルコンソーシアムやSuMPOといった算定ルールを策定したり検証する機関、LCA学会などの学術機関等は、関与せずなのでしょうか。
ということで、顔ぶれを見ながら、妄想してみたりしました。
皆さんは、どのようにお感じになったでしょうか。
ご意見を共有頂けたらと思います。