SBTi ダッシュボードの歩き方
毎月お届けしている、SBTi参加企業数のアップデート情報。
「どこで調べてるの?」という質問を頂きました。
私にとっては当たり前のルーティンなのですが、普段サイトを訪れていない方には、分かりにくいですよね。もちろん、英語ですし。
なので、不要な方もいらっしゃるとは思いますが、簡単にご案内していこうと思います。
まずは、大本営のサイトに飛びましょう。
「SBTi」でググれば、最上位近辺に出てきます。
ランディングしたウェブサイトの、上段のメニューから「Target dashboard_Target dashboard(Legacy)」と辿ります(1)。
なお、SBTiではダッシュボードのリニューアルを実施中で、同じメニューで「Target dashboard(Beta)」を選択するとそちらへ飛びますが、次のようなアラートが出ます。正確性が担保されませんので、「こんなに見やすいページができているんだ」ぐらいに見ておきましょう。
ダッシュボードに戻り、「フィルター」(2)をクリックしましょう。
すると、プルダウンメニューが現れます。
その中の、「Location」でJapanを検索して選択して下さい(3)。
SBTiに参加している日本企業の一覧が表示されるはずです。
ちなみに、エクセルデータでダウンロードすることもできます(4)。
ですが、毎週アップデートされ続けますので、あまり意味がありませんね。
利用するのは、分析をするときくらいでしょうか。
日本企業の一覧が表示されたところで、「TARGETS」を見てみましょう。
「NEAR TERM」「LONG TERM」「NET-ZERO」と並んでいますね(4)。
それぞれ、短期SBT、長期SBT、ネットゼロ目標です
短期/長期に「1.5℃」とあるのは1.5℃目標のこと。その他「2℃」「Well-below 2℃」があります。ネットゼロは目標年が表示されており、「FY」は会計年度ですね。
右ペインの「Summary」の下にある数字は、左側が「参加している企業数」右側が「認証された目標を持っている企業数」です。
フィルターの「Near term」「Committed」を選択すると表示されますが、このステータスのある企業は、24ヵ月以内に目標を提出することを約束する「Commitment Letter」をSBTiに提出した企業のことです。
未提出ながらも、SBTに「参加」はしている訳です。なので、「参加している企業数」ー「認証された目標を持っている企業数」をすればその数が現れるということになります。
重要ではありませんが、星印がついている(7)は、「Business Ambition for 1.5°C campaign」に参加している企業を意味しています。
「ORGANIZATION TYPE」は一般的なSBTか中小企業(SME)向けかの選択。
企業数としては中小企業が圧倒的なところ、SBTi認証の要求事項は非常にハードルが高いので、別立てとなっています。
こちらは、認証はされませんので、「参加している企業数」=「認証された目標を持っている企業数」となります。
企業リストの右端にある「View more」(8)をクリックしてみましょう。
すると、下のようにペインが開いて、詳細情報が確認できます。
例えばSONYだと、長期SBT及びネットゼロいずれも認証されていますよね。
数少ないネットゼロ認証済み日本企業、13社の1社です。
「Target」には、スコープ毎にどのような目標を設定しているのか、サプライヤーに対してどのようなエンゲージメントをするのか、目標年は等々が詳細に記述されています。
自社が目標設定する場合は、同業他社がSBTi認定を受けているのであれば、こちらが参考になるでしょう。同じセクターの会社でもよいでしょうね、
味の素は、「Food and Beverage Processing」ですのでFLAGセクターです。「Dage published/updated」が2020年ですので、2024年12月31日までに、FLAG目標を提出しなければならないことが分かります。ネットゼロもコミットしていますので、同時提出されることでしょう。
最後に、フィルターの中身をご紹介しておきましょう。
「Location」と「Sector」は数が多いので検索することになります。
「Committed」とは「24ヵ月以内に申請しますよ」という「Commitment Letter」をSBTiに提出した企業のことです。まだ認証はされていません。
では、提出しなかったらどうなるか?
プルダウンメニューに「Commitment removed」とありますよね。
選んでみましょう。
「COMMITMENT REMOVED」とラベルを貼られた上で、リストには残ってしまうのです。つまり、「約束を守らなかった」というのがバレてしまうんですねぇ。これは、企業にとっては信用問題とも言え、ペナルティーといってもよいのではないでしょうか。
ですので、約束したらしっかり守る、当たり前のことを当たり前にすることが、何よりも肝要。言うだけなら誰でもできる。
さぁ、同業他社、同セクター、国内、世界の取組を概観しつつ、自社の目標設定、計画策定/実行に邁進して参りましょう。
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