統合化の端緒となった2023年(1)
2023年
後から振り返ると「あの年から始まったよな」という1年になるのではないでしょうか。
気候変動対策の文脈でも、この30年、様々なマイルストーンがありました。
温暖化を認識したのは、地球サミットが開催された1992年。
温暖化対策を先進国がプレッジしたのは、京都議定書が発効した2005年。
温暖化対策を全締約国がプレッジしたのは、パリ協定が発効した2016年。
2050年Net-Zeroの機運が高まったのは、Race To Zeroが発足した2020年。
サスティナビリティ関連情報開示の統合は、叫ばれていながらも、依然として「アルファベットスープ」状態から抜け出せていなかったところ、この数年で進展、2023年で明確な方向性が出たように思います。
開示ルールについては、何度もご案内しました。
2023年が明けて早々、同じような振り返りをしていましたね。
個人的には、COP26開催中の2021年11月3日、IFRS財団の下部組織としてISSBが発足。そのISSBは、2022年1月31日にCDSB、2023年8月1日にVRFを統合し、国際的なサスティナビリティ関連情報開示のスタンダードセッターになったことが、「ベルリンの壁」だったかなと考えています。
ISSBは、2023年6月26日、IFRS S1・S2というサスティナビリティ関連のリスクと機会について投資家とのコミュニケーションを可能とすべく設計された、一連の開示要求事項を発表しました。
最終版が出たときには、ドラフトから大幅に変更されていました。
驚きましたが、まぁ、有り得るかなと納得もしたものです。
GHG算定に携わる人間としては、枠組みよりも中身が関心事。なので、母体となったSASBについて、突っ込んで考えてみたこともありました。
S1・S2自体は自主的な開示項目ですが、ISSBは各国・地域の規制当局に対して、S1・S2に準拠した義務的な開示項目を策定するよう要求しています。
日本では、SSBJ(Sustainable Stadnards Board of Japan サスティナビリティ基準委員会 )が、2024年3月31日までにドラフト、2025年3月31日までに最終案をリリースするスケジュールで検討中です。
適用時期については、「強制適用時期」と「早期適用時期」の考え方が示されており、早期適用時期は、遅くとも2025年4月1日以降に開始する事業年度からとなりそうです。
進捗については、適宜お届けしています。
特に、皆さんの関心の高いテーマについては、深掘りもしています。
来年25年の3月末まで目が離せませんが、noteでアップデートしていきますので、ご期待下さい。
ということで、情報開示の「内容」についてお届けしてきました。
次回は、「方法」について振り返りたいと思います。
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