SBTi参加企業数アップデート
毎月定例のSBTi参加企業数。
前回はこちら。
まずは、世界全体のコミット数(2年以内に目標を提出すると約束する「Commitment Letter」をSBTiに提出した数)及び認証数です。
コミット数の傾きはほぼ変わらず、単調増加。
認証数は7月以降は一定で単調増加なので、認証プロセスがちゃんと回っていると言っていいでしょう。
増加数を見てみると
○短期SBT
コミット数:全体 +159社 日本 +19社
認証数:全体 +75社 日本 +16社
○Net-Zero
コミット数:全体 +80社 日本 +1社
認証数:全体 +11社 日本 +1社
Net-Zero認証を受けた、日本の1社は「Daiwa House REIT Investment Corporation(大和ハウスリート投資法人)」
大和ハウスグループだと思ってサイトを確認したのですが、グループ一覧に見た当たらず。「掲載されていないグループ会社もございます。」とあるので、主流のグループ企業ではないのかなぁ。
ただ、本体に先駆けて認証取得しているのは、やはり、機関投資家が「SBTi認証」をそれだけ重要視している証拠なのでしょう。
こうやって短期とNet-Zero両方の数の変化を追っかけていると、それだけゼロカーボン達成が難しいんだなぁと、実感しますね。でも、コミット数と認証数の数を見ると、日本企業はなかなかに優秀なのではないですか。(とりあえず「コミット」という会社が少ないのカモですけど)
このところ、「ネットゼロにするにはオフセットしないといけないんですよね」と尋ねられることが増えたのですが、「現段階では、まず、自社の直接・間接排出量の削減に励んで下さい。加えて、取引先を巻き込んで、バリューチェーンの排出量の削減も推進しましょう」とお答えしています。
というのも、2050年時点で「中和」することによりNet-Zeroを達成する、とされているものの、方法論が明確になっていません。なので、気にするだけ無駄です。
現段階では、1.5℃目標に合致した削減軌道に乗っていれば、「Net-Zeroへ向かっている」と主張できます。そのためには、リアルな排出量を減らしていく必要があります。脇目も振らず、邁進しましょう。
さて、セクターによっては、総量削減目標が難しい場合もあります。
その点はSBTiも了承しているのでしょう。セクター別ガイドラインを充実させてきています。
ロードマップがこちら。
待ち望まれていた、2つのセクターが、9月末に続けてリリースされました。
多排出セクターである「セメントセクター」及び排出活動だけでなく吸収活動も含まれる「FLAGセクター」です。
FLAGのガイドラインは、このnoteでシリーズで紹介しています。
あと2回ほどで完了予定。
セメントセクターはこれからご紹介していきます。
今しばらくお待ちください。
ネットゼロへの道に関して、ツールは揃ってきています。
「やるかやらないか」ではありません。「いつやるか」です。
まずは一歩を踏み出しましょう。応援しています。