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検証の実際〜その1

CDP質問書への回答や、SBTiの目標設定、TCFDに基づいた情報公開等、バリューチェーン排出量算定結果を多方面で利用することが多くなりました。

その際、Mustでは無いものの、ほぼMustとなっているのが、第三者検証。

一体、どのように「検証」されるのか、不安になりますよね。
ISOの審査を想像される方も多いかと思いますが、ほぼその認識でOKです。

算定結果の検証も、
1.算定がISO14064-1(組織の排出量)に従って行われているかを
2.JABからISO14065(検証機関)の認証を受けた検証機関によって
3.ISO14064-3(検証方法)という規格に基づいて
実施されます。

環境関連のISOはこちらで説明しています。

検証については、環境省が実施しているASSET事業、SHIFT事業がこのルールに準じて行われているので、こちらの「実施ルール」「モニタリング・報告ガイドライン」「排出量検証のためのガイドライン」を参照されればよいと思います。(日本語ですから)

検証ガイドラインには、「第三者検証」をこう定義しています。

算定報告書に記載された 算定及び報告の基準である「実施ルール」及び「モニタリング・報告ガイドライン」 に準拠して作成され、全ての重要な点において適正に表示されているかどうかを 確かめるために、関連する証拠を客観的に収集・評価し、その結果を、算定報告書の利用者である環境省に、検証報告書によって伝達する体系的なプロセスと して実施される合理的保証業務である。検証は、目標保有参加者から独立した 第三者である検証機関によって実施される。

SHIFT事業 検証ガイドラインより

例えば、「実施ルール」及び「モニタリング・報告ガイドライン」→「GHGプロコトル」、「環境省」→「CDP」と読み替えれば、「CDP質問書に回答する場合の第三者検証」となります。

検証フローはこのような感じです。

概要把握
↓ リスク評価
↓ 検証計画の策定
↓ 検証計画の実施(現地検証)
↓ 実施結果の評価
↓検証意見の形成
↓検証報告書の作成
↓ 品質管理レビュー及び検証報告書の確定
↓ 検証報告書の提出

検証結果を評価し、以下の2つの規準に基づいて、結論を決定します。

① 算定報告書に記載された排出量が実施ルール及びモニタリング・報告ガイドラインに準拠して算定されて いる。(準拠して算定されているとは、「計量器による測定の不確かさ+予想される誤り+未修正の誤り+ その他の不確かさ・誤り」が重要性の基準値未満(5%又は2%)であることを含む。)

② 算定報告書に記載された情報が、実施ルール及びモニタリング・報告ガイドインに従って報告されている。 (重要な情報の表示について、実施ルール及びモニタリング・報告ガイドラインへの重要な非準拠がない ことである。表示に関する重要な非準拠の例とは「異なる様式を用いている」、「記載すべき項目が記載 されていない」などである。)

SHIFT事業 検証ガイドラインより

この「5%又は2%」という重要性の判断基準が超重要です。
検証人の頭には、この数字がこびりついています。

重要性の判断基準はこういうことです。

検証計画の策定、意見形成においては、重要性(マテリアリティ)を考慮する必要 がある。 ASSET における重要性の量的基準値は、二酸化炭素総排出量が 50 万t-CO2 未満の場合は総排出量の 5 %、50 万t-CO2 以上の場合は 2% とする。

SHIFT事業 検証ガイドラインより

結論の種類は、以下の4つ。

SHIFT事業 検証ガイドラインより

ですが、是正措置や明確化を行うことにより「無限定適正意見」を表明することが殆どです

次回は、もう少し実際に即したお話をしたいと思います。
お楽しみに。


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園田隆克@GHG削減サポーター
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