SBTi参加企業数アップデート
毎月定例のSBTi参加企業数、12月度。
毎週木曜日にアップデートされますので、2023年12月28日現在です。
前回はこちら。
最初に、申請のためのフォームが新しくなったことをお伝えしましょう。
2023年は、体制の変更も発表、スタンダードセッターとして、申請企業の期待値に応えるという、意思表示をしたのは、皆さんもご存知でしょう。
ですが、年末になっって、改革の第2弾を発表したのです。
認定スピードアップのための、ドキュメントのストリームライン化です。
今まで、短期・ネットゼロで分かれていたものを整理、以下の新しい3つのフォームとなりました。
「Resource」ページの「Submit」タブを選択すると、すでに新しいフォームがアップされています。適用開始は、2024年2月1日です。
旧フォームはまだ残っていますが「Legacy」と表示され、新フォームを使うようにアドバイスされています。なので、「旧フォームで作ってしまってるよ」という企業以外は、新フォームで申請しましょう。
詳細は、こちらのブログを参照ください。
ということで、いつものアップデートに戻ります。
まずは、世界の全体数(2年以内に目標を提出すると約束する「Commitment Letter」をSBTiに提出した数と認定された数の合計)及び認定数です。
先月も注意喚起しましたが、今年の23年1月31日に新しいコミットメント遵守ポリシーが発効しされ、7月31日に猶予期間が終了したことに留意。
今までのように、「とりあえず出しとくか」という軽い気持ちでレターを提出していると、痛い目に遭います。
新しいポリシーでは、ダッシュボードに「Commitment Removed」というステータスが、目標を提出し承認されるまで表示され続けてしまうのです。
「企業が行動を起こさずにコミットメントを行う大きな阻害要因として機能する」ことを狙いとした改訂なので、覚悟を持ってコミットしましょう。
続いて、全体数及び認定企業数を見ていきましょう。
申請数と認定数が若干乖離しているようにも思えますが、冒頭でお話ししたように、新フォームになれば、程なくキャ地アップしていくでしょう。
増減を見たのがこちら。
今月、世界全体については、短期及びNet-Zeroいずれも申請数は前月から大幅に増加。日本は、短期は先月よりも申請数は減少しましたが、Net-Zeroは先月のゼロ件から復活しています。
11月、12月はサス担の方々にとっては、ひと息つける頃かと思います。
落ち着いて、SBT短期の更新とNet-Zero申請という感じでしょうか。
それから、FLAGセクターで、現在の短期SBT認定が2019年12月31日以前であれば、FLAG目標の提出期限が、2023年12月31日でした。対象事業者の担当の方々は、無事提出されましたでしょうか。
つくづく思うのは、Net-Zero目標設定の難しさ。
世界全体では、短期SBTの1/3弱が申請していますが、日本は1/9。
認定済みでは、世界全体は短期の1/8に対し、日本は1/30。
まぁ、急ぐことはありません。「Doable」な計画を立てましょう。
前回から全体数に対する認定数の比率、認定率もチェックし始めました。
短期SBTは、日本は80%以上、先月からは90%超で推移しているのに対し、Net-Zeroでは10%をやっと上回る程度。他方、世界全体では、逆の傾向。
Net-Zeroはそもそも数が少ないので傾向を云々言えませんが、短期SBTの方は、日本人の傾向が出ているカモですね。ただ、確実を期すばかりに、最初の一歩を踏み出せないようなことの無いようにしたいものです。
さて、Net-Zeroといえば、カーボンニュートラリティ。
COP28に合わせての「ISO14068−1:2013 Carbon neutrality」のリリースという、ホットな話題がありましたよね。
「これで堂々とオフセットが主張できる」と喜んだ方もいらっしゃるかもしれませんが、正しい理解がなければ、ウォッシュの誹りを受けかねません。
こちらについては、ポイントを3回シリーズでお届けしました。
もしよろしければ、参照ください。
COP28も終わり、各所で報告会が行われていますが、自分なりに理解・解釈して、自社の脱炭素経営を加速させていきましょう。