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カーボン・クレジット〜How Much?!
株価を毎日チェックする人は数多いても、カーボン・クレジット価格をチェックする人は、果たしてどれだけいるのでしょうか。
私は、EUAとCORSIA適格ユニットのチェックは日課となっています。
10月31日現在はこちら。
![](https://assets.st-note.com/img/1698736467088-aMzrr2Nmxr.png?width=1200)
①がEU-ETSで取引されるクレジット「EUA:EU allowance」
②がCORSIAで取引できるクレジットに基づいた指標(インデックス)です。
種類が何種類もあるので、その値動きに合わせて算出されるものです。
値動きは、こんな感じになっています。
![](https://assets.st-note.com/img/1698736743369-Z5QTZcXqce.png?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1698736777592-I6obGRBLA0.png?width=1200)
EUAは、毎日一定の売買高もあって、日々の値動きがあります。
こうであって初めて、マーケットの機能の一つ「価格表示機能」が果たせます。
2021年の開始以来、対象セクターの排出量において、今やEU-ETSを凌駕してダントツの1位となったCN-ETSですが、まさしく官製相場となっています。
![](https://assets.st-note.com/img/1698737031388-OG8uzYGiTf.png?width=1200)
とはいえ、JPXカーボン・クレジット市場と言えば、初日こそ3,689トンの売買高がありましたが、その後は鳴かず飛ばず、売買成立している日の方が少ない状況。
褒められたものではありません。
ただ、何事も、最初からうまく行くものではありません。
「万全を期してやおら…」がお家芸の日本としては、「Running by Learning」で良いのでは無いでしょうか。ちゃんと、見守っていくつもりです。
毎日のチェックと並行して、世界で唯一のウェブベースマーケット、シンガポールのACXのメルマガも購読しています。
こちらは、CORSIAの他に、森林吸収や再エネクレジットなどのテーマ別のクレジットも扱っており、世界全体のボランタリー・クレジットの週間の動向が確認できて重宝しております。
![](https://assets.st-note.com/img/1698737639412-sUZN3YzbEO.png?width=1200)
右列に並んでいる、GNで始まるクレジットは、森林吸収クレジットです。
その後ろの文字は2つの意味があります。
1つ目は「ビンテージ」、クレジットが発効された年のことです。
スキームや規制で、利用できる年決まっている場合があるので、必要な情報です。
森林吸収ではありませんが、RE100では、稼働から15年を経過した電源からの電力による非化石証書は、使用できません。
2つ目は、コベネを生み出しているかどうか(accompanied by additional certification for co-benefits achieved)。いわゆる「高品質なクレジット」か否かということです。個人的には、こちらを重要視しています。
詳しくは、恐縮ですが、表の下の小さな説明を参照ください。
さて、昨今、ウォッシュが問題視されていますが、以前は「全然」でした。
控えめに言っても、「まかり通っていた」ものも多かったと思われます。
ですので、古いクレジット(ビンテージが古い)は買い手がつきにくい状態です。
同じ文脈で、コベネフィットを生み出しているのであれば、言ってみれば、「ウォッシュ」と逆ですよね。「買いたい」というインセンティブが働きます。
ということで、プライスが、10ドル以上から1ドル未満まで幅あるのです。
最後にご案内しておきたいのは、CORSIA適格ユニットの話です。
上表だと、0.75ドルとなっていて、10/13〜20の週は変動無し。
CARBON CREDITS.COMのチャートだと、0.75ドルを中心に変動しています。
なので、これが現在のマーケット状況であることは間違い無いようです。
ここでマニアックになりますが、CORSIA適格ユニットにも、種類があるのです。
CORSIAは、以下のように、3つのフェーズに分かれて、段階的に導入されます。
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で、フェーズ毎に使えるクレジットが異なります。
Pilot Phaseで使えるクレジット
1,American Carbon Registry(ACR)
2.Architecture for REDD+ Transactions(ART)
3.China GHG Voluntary Emission Reduction Program
4.Clean Development Mechanism(CDM)
5.Climate Action Reserve(CAR)
6.Forest Carbon Partnership Facility(FCPF)
7.Global Carbon Council(GCC)
8.The Gold Standards(GS)
9.Verified Carbon Standard(VCS)
1st Phaseで使えるクレジット
1.American Carbon Registry(ACR)
2.Architecture for REDD+ Transactions(ART)
Pilot Phaseでは、9つのクレジットが使えたのですが、2024年から始まる1st Phaseでは、現在のところまだ2つしか承認されていません。
ですので、ACXによると、これから需要が高まってくると、供給が限られることから、10ドル/tCO2eくらいまでの値上がりが見込まれるそうです。
まぁ、現在TEGで審査されているところですので、適格ユニットは増えてくるでしょうが、初期はタイトな相場になることは十分予想できるところ。
ということで、にわかに注目され始めた、カーボン・クレジット。
何度もご案内してきたのは、ご承知の通り。
次は、購入して、活用する段階に入ります。
それで初めて、クレジットが活きるのです。
これを踏まえて、今回は「一体いくらなの?」をお伝えしました。
いかがだったでしょうか。
これからも、タイムリーな情報をお届けしていきます。
是非とも、フォローして、時折チェックしてくださいね〜
「ガッカリ」はさせません!
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