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SBTi参加企業数アップデート

毎月定例のSBTi参加企業数、2024年11月度。
毎週木曜日にアップデートされますので、2024年11月29日現在です。
前回はこちら。

先月もご案内しましたが、重要なので再度ご案内。
サイトの上部に表示される次のような案内に気づいた方も多いのでは?

目標の提出と検証に関する情報(コミットメントを含む)は、新しいSBTiサービスのウェブサイトでご覧いただけます。

著者訳

SBTiは、23年9月13日に、ガバナンスの改善、完全性の向上、能力の向上を目的とした大きな変革の開始を発表し、基準設定と検証活動を別個の組織に分離することを明らかにしています。

ルールを作る組織と、それを認証する組織が一緒ということは、メーカーにおいて、開発と品証が一緒というのと同じ。これまでは、自主的なイニシアチブなので許されていたところ、GHG削減目標設定のデファクトという存在になった今、独立性が求められるようになったことを受けたものでした。

まずは、大幅な需要増に対応すべく、目標検証能力を増強してきたところで、順調な認証企業の増加にその効果が見えていました。

そして、直近の課題が軌道に乗ったことを受けて(?)、同じ屋根の下だったところ、晴れて別居したということでしょうか。10月23日から、「SBTi Services」のウェブサイトが立ち上がっています。

なので、目標提出に関わるフォームや提出方法については、こちらのサイトへ移管されています。

具体的には、グローバルメニューで「Resources」を選択すると、「Getting Started」「Commitments」「Target Submission」のタブがありますので、手続きについては「Getting Started」、フォームについては「Target Submission」のタブをクリックすると、一覧が表示されます。

ですが、「SBTi Services」はいわゆる「事務局」なので、このサイトには「Standard」「Guidance」「Tool」といった、目標設定に必要なマテリアルはありません。

本家サイトの「Resource Library」へ行かなければならないのです。

そこには「CORPORATES」「SECTORS」「SUPPLEMENTARY」「INSIGHTS AND LEARNING」というタブが並んでおり、「CORPORATES」にはクロスセクター、「SECTORS」にはセクター別のガイダンスが用意されているという按配です。

今までの「DEVELOPMENT」だけが本家に取り残され、その他が「SBTi Services」に移っただけなのですが、何とも分かりにくく、手間ですよね。

私も相当迷子になりました。両方のサイトに、動線をアナウンスする分かりやすいガイダンスが欲しいですね。

再度のご案内はこれくらいにして、11月のアップデートにいきましょう。


ダッシュボード(Legacy、Betaいずれも)は、本家で変わっておりません。
ご安心下さい。

それでは、Near-termとNet-Zero、Target毎の「Commitment removed」「Committed」「Target set」の企業数、及び、SBTiに参加している企業総数です。

noteでは、企業数しかご案内しませんが、詳細フィルターを使用することにより、ステータス毎の企業の一覧が表示され、次の項目を参照することができます。ご参考まで。

「ORGANIZATION TYPE」で「SME」と表されるのは、中小企業版SBTです。対象が限定されており、審査が行われないなど、一般のSBTとは評価基準が異なることにご留意下さい。

続いて、前月比の増減をみてみましょう。

全体:世界 +244社 日本 84社

○Near-term
Commitment removed:世界 -20社 日本 -1社
Committed:世界 +1,447社 日本 -121社
Tareget set:世界 +264社 日本 +85社

○Net-Zero
Commitment removed:世界 -5社 日本 0社
Committed:世界 -703社 日本 -30社
Tareget set:世界 +92社 日本 +5社

11月度


全体:世界 +335社 日本 +59社

○Near-term
Commitment removed:世界 -224社 日本 -12社
Committed:世界 +670社 日本 +23社
Tareget set:世界 +261社 日本 +61社

○Net-Zero
Commitment removed:世界 +26社 日本 2社
Committed:世界 +64社 日本 +0社
Tareget set:世界 +79社 日本 +1社

10月度

先月、Near-termの「Commitment removed」の世界及び日本が、いずれもマイナスとなった、目標を提出したということに驚いたところ。今月は幅は縮小したものの、マイナスを継続しています。

他方「Committed」については、Near-term及びNet-zeroいずれも、世界は順調な伸びを示したのに対し、日本は、先月比でいずれもマイナスに落ち込んでいます。

「Target set」は先月よりも増えていますので、単純にレター提出が減少しただけ。SBTi認証に取り組む企業も、頭打ちになってきたのでしょうか?

もしくは、GX-ETSの方が喫緊の課題となってきているのか?
制度設計の議論も横目に見ながら、ウォッチしていきたいと思います。


さて、前回ご案内しましたように、先月アゼルバイジャンの首都バクーにて開催されたCOP29に参加してきました。(前半の5日間だけですが)

初めての参加であり、常連の方々にとっては「当たり前」のことも、新鮮な驚きでした。また、現地に赴いたからこそ気づいた課題なども含めて、シリーズでお届けしています。

お時間のあるときに、ご覧頂けたらと思います。併せて、ご要望等ありましたらお寄せ下さい。またとない機会ということで、写真や映像を多数撮って参りましたので、できる範囲であれば何でも共有したいと思います。

COP期間中には、様々な団体が発表を行っていましたが、個人的に着目したのは、WBCSDの「Avoided Emissions」V2のコンサルテーションです。

昨年3月にV1がリリースされた際は、「ついに大御所が」ということで反響があったように記憶しています。その後の様々な意見、フィードバックを受け、今回のV2ドラフトにつながったようです。

コンサルは来年1月18日までで誰でも回答可能なので、積極的に情報提供されてはいかがでしょうか。もちろん、同じサイトから、ドラフトをダウンロードできます。

さらに、ISOが「Avoided Emissions」のISO化を進めていることも、アナウンスされました。これについては、LCA推進機構の稲葉先生もメルマガでご案内されていましたので、ついに大本営から発表されたな、という感じ。

国内では、「削減貢献量」ではなく「削減実績量」の議論が政府及びLCA学会等で進んでいますが、グローバルでは「Avoided Emissions」の標準化が進んでいることを認識しておきたいですね。

ということで、SBTiアップデートと、サス界隈トピックをお届けしました。

ご要望ありましたら、ドシドシお寄せ下さい。
期待に応えられるよう頑張ります。
よろしくお願いします。

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園田隆克@GHG削減サポーター
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