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GSがCCP(プログラムレベル)評価を申請

こちらのnoteで、しつこいくらいにお届けしている「高品質なクレジット」

その共通ルールとなるべく、ICVCMが「Core Carbon Principles:CCPs」の第一弾を3月に公開、第二弾を7月に公開して「完全体」になった旨も、いち早くお届けしました。

CCP認証は次の2種類の認証がありますが、ICVCMが行う認証は「1.プログラムレベル」のみです。

1.プログラムレベル(Program):CCP-Eligible
2.カテゴリーレベル(Categories of carbon credits):CCP-Approved

「プログラム」とは、例えば、Verraの「VCS」やゴールドスタンダードの「GS」などの「カーボン・クレジットスキーム」のことを指します。これらの「プログラム」が要件を満たしていれば、「CCP-Eligible」とされます。

そして「CCP-Eligible」のスキームオーナーは、「カテゴリーレベル」の要件を満たした(満たすように改訂した)方法論(満たすように改訂した方法論)をICVCMに申請、「CCP-Approved」の認証を得ることになります。

GSはプログラムが「CCP-Eligible」のため、ICVCMは基本的に審査を行うことはありません。

要件については、上記のnote及び、第一弾リリースの際にお届けした、3回シリーズを参照ください。

「プログラムレベル」の要件として、着目すべきは「CORSIA適格」か否か。

CORSIAもこちらのnote頻出テーマ(?)ですので、何度も採り上げていますが、まずはこちらを参照頂くのがよいかと思います。

というのも「適格」であればCCP承認のハードルが低くなるからです。
自動的ではありませんが、形式的なものが多くなるものと思います。

その、CORSIA適格ユニットですが、2021年〜2023年のパイロットフェーズでは、次の9つが適格とされています。

1.American Carbon Registry(ACR)
2.Architecture for REDD+ Transactions(ART)
3.China GHG Voluntary Emission Reduction Program
4.Clean Development Mechanism(CDM)
5.Climate Action Reserve(CAR)
6.Forest Carbon Partnership Facility(FCPF)
7.Global Carbon Council(GCC)
8.The Gold Standard(GS)
9.Verified Carbon Standard(VCS)

しかし、こちらはあくまでも「パイロットフェーズ」、ボランタリーな期間で使用できるクレジット。他方、2024年からは、要件を満たすエアラインは参加が義務づけられる「第一フェーズ」が開始となり、適格とされているクレジットは、2023年3月現在でわずか2つです。

1.American Carbon Registry(ACR)
2.Architecture for REDD+ Transactions(ART)

もちろん、多数のクレジットが申請を行っており、パブコメも実施されたところですが、まだ正式に発表はなされていません。

なので、ICVCMがCCPの要件を審査する際に、どちらを採用するかは不明。
とはいえ、高品質なクレジットを謳うための最初のハードルが「CORSIA」である点は変わりません。

したがって、今後CCP-Approvedのラベルが欲しい場合には、CCP-Eligibleなプログラムの方法論でクレジット創生する必要があることから、CORSIA公式サイトをチェックしておくとよいでしょうね。

なお、J-クレジットも申請はしております。が、パイロットフェーズで「再提出」判定をされた経緯がありますので、どうなることやら。

こちらもご案内済みですので、よろしければどうぞ。

さて、そのCCP認証のプログラムレベルに、GSが申請をしました。
ボランタリークレジットスキームで、最初の申請です。

前述しましたように、申請が通るとCCP-Eligibleとなり、今後GSが単独で、カテゴリー(方法論)レベルでCCPに適合しているクレジット(CCP-Approved)を認定できます。

CCP-Approvedの申請をする方法論は、プログラムレベルの審査が明確になった時点で決定するとしています。

CCPについては、その要件の厳しさから、ほとんどのクレジットは除外されるのではないかとも伝えられています。ですが、ウォッシュに対する批判が高まり、各国が規制に乗り出している現状を鑑みると、手を緩めるべきでないことは明らか。

「悪貨が良貨を駆逐する」ではありませんが、健全なマーケットを構築し、バリューチェーン内外での脱炭素を推進、持続可能な社会の実現に資するよう、襟を正していきたいですね。

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