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Washingを恐れてHushing?

みなさん、「Green Washing」はよくご存知ですよね。
noteでは、昨年早々に記事にしておりました。

このような背景の下に、既存のボラクレは、登録済みのプロジェクトを精査したり、方法論をアップデートしたりと、「Legacy」に対する対応に追われていました。

また、ウォッシュ批判を受けて「高品質なクレジット」の要求事項が上がっていても、なお、「クレジットを創りたい」という要望が多く寄せられたことを踏まえて、このようなnoteも書きました。

クレジットの収益が目的でなく、自社の環境配慮姿勢を訴求したい。
つまり、環境ブランディングや、格付会社・インデックス対応が目的であればクレジット化は不要、というお話です。

このような目的であれば、幸いなことに、先月「サステナブルビジネス認証制度(JSB認証)」という制度が開始されました。

SDGsへの取り組みは、大企業において活発化していますが、中堅・中小企業こそ、企業価値を高めるための取り組みを加速させる必要があるところ、リソース不足により、どこから着手すべきか分からない状態となっているという問題意識から、立ち上げに至ったとのこと。

中小企業向けSBTという選択肢もありますが、要件が厳しく、費用も増大し、ある意味突き放したような感じがします。

一方こちらは、エコアクション21のように、まさしく「中小企業向け」といった感じで、費用もお安くなっています。

さらに、ニューズウィーク日本版SDGsアワードやその他メディアとも連携しているそうなので、自社の取組を効果的に発信できますね。加えて、認証取得企業のネットワーキングもサポートしてくれるとなれば、互いに切磋琢磨できそうです。

また、色々と申し上げてきた「GXリーグ」も、自社の環境配慮経営の姿勢を対外的に発信できる場となりつつありますし、SSBJが今年度末のファイナライズを目指している日本版S1・S2基準など、自社取組を開示する環境は、徐々に整ってきていると言って良いでしょう。

ですが、それとは反対に「口は禍いの門」とばかりに、環境への取り組みについて沈黙する企業が現れ始めました。そのような企業の姿勢を指す言葉が「Green hushing」です。

このメディアは「FTSE100のうち63%がESGの進捗状況を控えめに開示し、積極的なコミュニケーションを展開していないことが、調査で明らかになった。」と報じています。

これではまさに、「羮に懲りて膾を吹く」ですね。

Green hushingとは違うかもしれませんが、統合報告書の作成に対するサス担の方の姿勢も、似たようなところがあるかもと思っています。

昨今は、ア ニュアルレポート、統合報告書、サステナビリティレポートなどを作成するのが当たり前のようになっており、見せ方も様々なインフォグラフィックスを駆使したりと、充実した内容になってきていますよね。

なので、「自社もこのレベルのレポートを作成せねば」と思うばかりに、気が引けてしまい、逆に作成に至らないという循環に入っていないでしょうか?

ホントは、タイムリーに開示していきたいと思っていながら、重い腰を上げることが出来なくなっていたり。

ですが、海外を見渡すと、実は逆の方向に向かっています。
つまり、伝えたいことを明確に簡潔に表現し、敢えて統合化せずに、目的に沿って分割するといったことが行われています。

ページ数は、どんどん減っていっているのです。

残念ながら、日本企業のレポートは、充実すればするほどページ数が増え、可読性が落ちていっているように思えます。海外のレポートは英語なのに、何故か読みやすかったりします。

恐らく、あれもこれもと取り込んでいて網羅的であるが故に、読ませるものが少なくなっているのではないでしょうか。ストーリーもなく、読み手に「苦行」をさせているかもしれません。

以上、ダラダラと私見を申してきましたが、「見栄えの良い」レポートを作る必要は無いと言うことです。それに固執して「Green hushing」するのであれば本末転倒ですから。

ですので、「どのように伝える」かでなく「どのように伝わるか」という視点で、「Green washing」に陥ることなく、自社の身の丈に合った、時機を得た開示に注力されるのがよいと思います。

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