日本版S1・S2 公開草案 滑り込み公開
2023年度末までに公表するとしていた「公開草案」
年度末の最終稼働日である3月29日、滑り込みで公開されましたね。
サステナビリティ関連情報を発信するメディアを謳う「NIKKEI GX」さんは、遅れてはなるものかと、4月1日5:00に解説記事をリリース。まぁ、一大スクープでしょうから、休日返上だったことでしょう。
個人的には、議事及び事務局提出資料を都度確認していたので、委員会における審議過程は把握していましたし、先月のセミナーも参加しましたので、驚きはなく、想定通りの内容でした。
金融審議会の「サステナビリティ情報の開示と保証のあり方に関するワーキング・グループ」で議論される次の事項以外は、このドラフトを軸に確定基準が策定されることになります。
ですので、基本的には、これをベースに開示準備を進めていくべきですが、SSBJは7月31日までコメントを募集していますので、積極的にフィードバックすることもお奨めします。
「審議の過程で意見が分かれた項目」について10ヶの質問項目が提示されていますが、公開草案全体についても、意見することができます。
加えて、つぎの記述からも、柔軟に対応する姿勢が伺えますので、市井の声を、是非届けましょう。
さて、先月のセミナーで、意見を頂きたいとして紹介されたのは、「審議の過程で意見が分かれた主な項目」でした。このとき川西委員長から、その他の項目は、公開草案の中に「採用されなかった案」として記載するので、参照してほしいと説明がありました。
ですので、早速チェックしてみました。
公表された公開草案3文書に記載されていた「採用されなかった案」は、それぞれ次の通りです。
これを見ると、論点はセミナーで紹介された9つの項目に集約されているように思えます。内容を確認したところ、細かい点で異なる点はあるものの、概ね当日「代替案」として説明されたものでほとんどカバーしています。
「主な」と言いながら、全ての論点の概要を説明していた訳です。
セミナーでは「ご意見を頂きたい主な項目」に3時間もの時間を費やしたのも、審議の過程を詳らかにし、利用者・作成者・有識者の率直な意見を伺おうという委員会の姿勢の表れだったのでしょう。
是非、皆さんも、公開草案を最後まで読み通して下さい。
公開草案に採用された案が何故「採用された」のか。他方、「採用された案」のどのような点が問題視され「採用されなかった案」が提案されたのか。
このように、多面的な意見が交わされたことを了承していれば、「お上が決めたことだから」と渋々従うのではなく、「なるほど、確かにそうだよね」と納得して、開示準備に取りかかれるのではないでしょうか。
SSBJにおける確定基準決定へ向けた審議状況、及び金融庁のワーキング・グループ動向については、タイムリーにご案内していきたいと思っています。
ご期待下さい。
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